タンポポは、絵本をはじめ学校の教科書にも出て来ますし、日本中どこでもみかけることができるので、日本人にはたいへん親しみ深い植物といえるでしょう。

タンポポについて、こんなことを知っていますか?
タンポポはどの季節に花が咲きますか?
何日間咲いていますか?
いつ実ができますか?
種子から芽が出るのはいつですか?
どんなところに生えていますか?
何年位生きるのでしょう?

身近な植物であると思っていたタンポポについて、案外知らないことが多いのではないでしょうか。以前、学生さんとタンポポの生育地調査をした折り、20人に1人くらいが、タンポポでない花をタンポポと間違えて取って来たことがありました。タンポポを本当に身近な植物とするために、タンポポを継続して観察し、タンポポの一年を記録してみましょう。また、タンポポの一生のいろいろな時期に、まわりの自然や人間との関係を調べたり測ったりしてみましょう。


タンポポの一年を記録しましょう

ここでは、タンポポの生活やまわりの自然のようすを、季節を追って観察し記録します。

<観察対象のタンポポ>

まず継続観察するタンポポを選んでください。このとき、在来種・外来種の両方が選べると、両者の比較ができておもしろいでしょう(近くに在来種がないときは、他校が行っている在来種の観察のようすを、インターネットをつうじて教えてもらいましょう)。
観察対象のタンポポは、誰かに取られてしまうとおしまいですから、安全な場所で選んでください。ただし、安全のためというので大事にしすぎて特別な世話をしては、タンポポのまわりの様子が変わってしまいます。また、タンポポは観察の途中で枯れてしまうこともあるので、その点にも注意してタンポポの本数を決めてください。それぞれのタンポポには通し番号をつけておくとよいでしょう。

<いつも観察することがら>

毎月1〜2回、次のことを観察し記録してください(タンポポ1本ごとに、記録用紙をつくって記録するとよいでしょう)。観察した年月日、時刻、天候、タンポポの葉の枚数、タンポポの葉の高さの最大値(地面から葉の一番高いところまでの高さを測る)、タンポポのまわり1m四方にある主な植物の名前と、高さ(地面から一番高いところまでの高さを測る)。下の絵に測る事柄を示しておきました。参考にしてください。

<みつけたときに記録することがら>

タンポポのつぼみがみえたら「つぼみあり」と記入。花が咲いていたら「開花」と記入。花が咲き終わって閉じていたら「花終わり」と記入。綿毛が出てきていたら「実」と記入。綿毛がすっかり飛んでしまった後だったら「実散布後」と記入。もし種子から芽がでているのをみつけたら「発芽」と記入。その他、気付いたことがあったらメモしておきましょう。

<季節ごとに測れるとよいことがら>

毎回の観察でできればなおよいのですが、春夏秋冬一回ずつでも結構です。観察しているタンポポのまわり1m四方の、おもな植物の広がり具合を、方眼紙に描いてみましょう。描き方については、下の図を参考にしてください。ます目を数えて、1�嵎�のます目の数で割れば、各植物が地面をおおっている割合(被度)が出てきます。

被度の調べかた
  1. 調査しているタンポポのまわりを1メートル四方のワクで囲んでください。
  2. ワク内のタンポポと、その他の主な植物の広がり具合を方眼紙などにスケッチします。このとき、ワクもきちんと描き込んでおいてください。
  3. 植物の広がり具合を描いた部分のます目の数を、タンポポ、その他の植物について、それぞれ数えます。
  4. わく内のすべてのます目の数を数えます。
  5. 「植物が占めている部分のます目数」を「ワク内のすべてのます目数」で割って100をかけると、被度(%)となります。
例えば

上の図で、タンポポ部分のます目の数は、全部で14.2コ、その他の植物部分のます目数は全部で55.5コです。また、ワク内のすべてのます目数は256コです。したがって、タンポポの被度は
14.2/256*100=5.6%、その他の植物の被度は55.5/256*100=21.7%と計算されます。

<測定用具があれば、こんなことも春夏秋冬一回ずつ測ってみましょう>

タンポポの葉の位置での明るさ(照度):タンポポの葉がどんな光環境にあるかを調べます。もし、タンポポの葉が消えてしまっていたら、葉があった位置の地面の明るさを測ります。同時に、植物や建物の陰になていない場所の明るさを測ります。陰になっていない場所の明るさに対する、タンポポの場所の明るさの比(百分率)を、タンポポの場所の明るさ(相対照度)とします。測定用具:照度計

結果の取り扱いと学習への活用視点

タンポポは一生ロゼット型の葉しか持たず背が低いので、まわりを背の高い植物で囲まれると生育に支障があります。それで、外来種タンポポは開けた場所に生育します。一方、在来種タンポポは夏に葉を落として、ちょうどチューリップのように秋から春にかけて生育をします。それで共存植物がある場所でも生き残ることができるのです。比較のため、外来種タンポポのまわりに植物を植えたり、夏に日陰にしてやると生育が悪くなるという実験をすることも可能です。植物の生育にとって光りが重要であることを知るとともに、背の低い在来種タンポポが冬型の生育をして、他の植物と時間的すみわけをしていることにも注意を向けましょう。


タンポポのホームページへもどる