阿見中学校の中山常恵先生から4月20日に届いた質問と回答です。

Q1.シロバナタンポポの形・・在来種なのに外総苞片がめくれる?
(図1−1,1−2)

A1.シロバナタンポポについては、外総苞片がめくれていても、
シロバナタンポポと認定できます。

Q2. 外総苞片がめくれずに立て爪のようになっているのは、在来種?(図2)

A2.外総苞片が立て爪状のものについては、在来種か外来種か、判定に迷うことがしばしばあります。

Q3.外来種の形態外総苞片がめくれずに内総苞片から離れているものも外来種?(図3)

A3.黄色花のタンポポにおいて、外総苞片がめくれているが反転していないものの識別も大変困難です。

Q2とQ3については、一応、次の判断基準を使ってください。

  1. 花粉がなければ外来種
  2. 総苞片に外向きの突起(小角突起)が明瞭にあれば在来種
  3. 花が開くに連れて外総苞片が内総苞片から次々と離れ、反転すれば外来種
  4. 以上に該当しない場合、総苞の色が黄緑色で肉厚な感じなら在来種、緑色で薄手の感じなら外来種

昨日(19日)、私の小学生になる息子が、在来種があったといって家の前の空き地から採ってきたのが、外来種で外総苞片がほとんど反転しないタイプでした。現場へ行ってみると、花が開くに連れて反転しかけていました。同様の個体は、近所を歩きまわるとけっこう見られました。決定的だったのは、見た目にもわかる花の顔をしていて、花粉がありませんでした。

同様の報告は、1週間ほど前に、練馬区と板橋区にまたがる都立光ケ丘公園からありました。

外来種の原産地では、外総苞片が反転しないタイプの種もたくさんあるので、そういう形態のものが渡来しても不思議ではないと思います。ただ、これらは、在来種の種類識別と同様、1ヵ所に生えている複数の個体を見ないと、1個体では判断できません。

大変ご苦労がいる問題ですが、自然(植物)の多様性や集団(個体群)と個体との関係を考える上でよい素材に出会ったと前向きにとらえてください。

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