
大浦食堂記録調査報告書
Report on the Survey of Student Cafeteria OURA
美術館計画による大浦食堂の取り壊しにあたり、私たちは記録調査報告書の作成を行った。計画が発表になってからは、多くの学生の活動や大学主催の計画説明会等があった。報告書はそれらを含め、大浦食堂の愛された姿を伝えられるように配慮した。
作成中には、学生,教官,OB等から様々な意見があったが、誰もが大浦食堂とそれを取り囲む環境を愛していた気持ちは抱いていたように感じた。「何故取り壊されてしまったのか。」取り壊しの要因は大きく分けて二つあった。一つは限られた敷地で学生活動を更に展開する美術館が必要になったこと、もう一つは建物の老朽化で、見るからにその危険性が心配されたことである。結果、大浦食堂を中心とした生協や画翠、そして図書館の庇,正門,守衛所の 風景は 消え去った。
大浦食堂の建物には残す価値があるのかという質問もよく受けた。現実には建築史あるいは建築意匠の面からは価値も薄かったと言われている。しかし、それ意外に「愛された建築」という理由で残す価値が議論されるべきだったと思う。誰もが残したいという気持ちを抱いていたことが解りながらも保存学の学生としてその見えない価値を表に出し議論できなかった。自分の力不足と社会の判断基準の偏りに悔しさを感じ、建築保存問題の課題の一つを見た。文/加藤 雅大(1998修士卒)
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