昔、NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「鳩子の海」」で記憶喪失の戦災孤児を演じ、天才子役の名をほしいままにした斎藤こず恵さんという人がいます。
一時期引退していましたがその後渡米、現地で結婚、ブルース歌手としても活躍。最近では、あまりにも恰幅のよい体型を生かして、日本のテレビ番組でダイエットにも挑戦されています。
この斎藤さんが、引退して中学生だった当時、彼女の在籍する中学校に武装した暴漢が乱入、生徒用昇降口で数名の生徒を負傷させる、という事件が発生しました。負傷者の中には斎藤さんも含まれており、元・天才子役は、テレビカメラの前で事件の模様を語っておりました。
学校への乱入傷害事件に関して、私の記憶する限り、最初の被害者は斎藤こず恵さんなのです。もう15年か20年も前の話です*。先日、ダイエットの企画で斎藤さんを偶見して、突然そのことを思い出してしまいました。
その後も類似の事件は何度も繰り返されました。
思い出せないくらい昔に、「最初の事件」が起きていたにもかかわらず、結局、行政も、学校関係者も、死者が出るまで動かなかった、ということです。一人の中学生が恰幅のよいブルース歌手に変貌するまでの長い長い時間、学校は乱入者に対して無防備なまま放置されていたのです。
にもかかわらず、池田での事件の直後、人々は言いました。「安全なはずの学校でこんな事件が」と。あんな開けっ放しの施設を本当に安全な場所だと、彼らは本当に信じていたのでしょうか。
追記(03.8.11) 数日前のテレビ番組で、この事件は1981年12月12日の朝刊で報道されたと伝えていました。池田小学校の事件のちょうど20年前ということになります。