大学近郊における連続婦女暴行事件に寄せて
東京学芸大学からほど近い、小平市、東村山市にて、独居女性を狙った暴行事件が連続しているとのことです。この種の事件への対応策についてはいくらも文献がありますが、そんなもの手にとったこともない学生も多いはず。取り急ぎ、最低限の備えについて若干の提案をさせていただきます。
ただし、ここでの提案は被害を完全に回避することを保証するものではありません。万一の被害に関して、筆者は責任を負いかねます。
(1)機敏に行動する。
大学からの帰途、すでに暗くなっているこの季節、夜間・屋外での行動はできるだけ機敏に。後をつけられ、押し入られる危険を低減しましょう。
- 自転車の鍵や自宅の鍵は、できるだけ早めに取り出しておき、自転車の前やドアの前でもたもたしない。スムーズに開錠できるように、自転車の錠には定期的に注油する。
- おしゃれしたいのは山々でしょうが、できるだけ走りやすい服装で外出する。特に履き物に注意。最高の護身グッズは走れる靴です。
(2)自宅への侵入路を断つ。
玄関は言うに及ばず、トイレや風呂場の窓も忘れず施錠を。一階でないからといって油断は禁物。ベランダの施錠は常識です。ちなみに、被害者の中には施錠していない窓から侵入された人もいるとのこと。
(3)一人暮らしであることを察知させない。
同居者の存在を擬装することで、犯人が下見の段階で侵入を断念する可能性が増します。
- 表札にフルネームを書かない。大家さん・管理人の了解を得て男名前にする手もあるらしいのですが、ワンルームなどではかえって不自然かも。
- 公共料金の契約名義人を男性(男の親族)にする。できない場合は、支払いを銀行引き落としにする、こまめに郵便物を回収するなどして、女性名義の請求書を極力人目に触れさせないようにする。
- 玄関に男物の靴を置く。洗濯物に男性の肌着を混ぜる。後者は大家さん・管理人の了解をとってからの方がいいかもしれません(同棲と間違えられます)。
- 自宅についたら、無人だとわかっていても、呼び鈴を押し、「ただいま」と言って入室する。部屋の明かりがついていればベター。
(4)外部との連絡手段を確保する。
万一の侵入に備えて、外部との連絡手段を確保しましょう。
- 携帯電話でない電話、それもできれば親機を枕元に置いておくことをおすすめします。携帯電話と違って、警察が発信者の所在地を逆探知することが容易だからです。子機でなく親機を置くのは、親機の接続をはずされてしまえば子機も役に立たないから。なお、携帯電話からの110番通報の場合、第一報がすんでも電源を切らず、通話状態を維持することが警察によって推奨されています。110番を短縮ダイヤルに登録しておくことも検討に値します。
- 防犯ブザーの類はおすすめしません。室外に音が届く可能性が低く、むしろ侵入者を逆上させることになりかねないからです。
- 幸いにして窓から助けを呼べるときには、「火事だ!」と叫びましょう。類焼を恐れて窓を開ける人がいるはず。目撃者を増やすことが犯人検挙につながります。検挙にまさる防犯なし。
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