防災学習室とは

2011年3月の東北地方太平洋沖地震と東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、3・11)は大きな被害を子どもにもたらしました。初等中等の公立校に在籍した子ども513名が地震と津波により死亡または行方不明になり、放射能の汚染が東日本に拡がり、2万5,751名の子どもが震災前と別の学校に通いながら47都道府県でくらすようになりました(2011年9月時点)。

私たちは、自然災害と原発災害により被災した子どもの心のケアが長期にわたる教育界の課題であることをふまえて、また、被災した子どもの喪失感を前にして無数の教育実践が子ども自身と教職員と保護者により重ねられてきたことに着目をして、2021年11月11日に東京学芸大学の東5号館に防災学習室を開設しました。防災学習室では、災害後の教育実践から教訓をくみとり今後の教育や子育てに活かす学習と交流をすすめるために、被災地と避難先における教育実践記録の整理と情報発信等を行います。

私たちは、この防災学習室を子どもの安心の礎として、3・11を忘れることなく、ひろく教職員と学生と市民による学習に役立てていきます。

東京学芸大学
特別支援教育・教育臨床サポートセンター