教科書・教育課程の比較研究会(第1回)

 近年、我が国だけでなく、欧米はもとより東南アジア諸国においても、教科書や教育課程改訂あるいは再編成がおこなわれています。その再編計画とその実際は、我が国の教育課程の編成原理とカリキュラム開発に、少なくない影響力を及ぼしているといえます。

 そのような状況で、世界の教科書と教育課程の位置と役割、内容等に関する実情や捉え方、各国の最近の動向についての情報交換をし、比較・検討、研究交流することが必要ではないかと考え、今回、研究会を、開催しました。それは、教員養成ならびに現職教育のプログラムを開発するという課題にも連なってくることを想定してのことでもあります。

 9月19日の午前中、秋晴れの気持ちの良い時、6名の参加で開催されました。

 話題提供者の川手氏(東京学芸大学歴史学研究室)からは、今夏の訪独等の成果と訪独に込める想いを、たっぷりと伺うことができました。Georg Eckert 国際教科書研究所の書庫の写真やカタログも、お持ちいただきました。

 アルゼンチンとブラジル間の主に歴史や地理関係の「教科書協定」の話は、我が国と勧告や中国、東南アジア諸国との関係を思い出させるものでした。また、ドイツでの教科書出版、採択、使用のシステムについても興味深いものがありました。

 東京学芸大学に勤務されていた近藤孝弘氏の著作・研究にもふれながら、ヨーロッパ地区の取り組みを知ることができ、視野が広がりました。

 次回は、筒石賢昭先生(東京学芸大学音楽教育学研究室)からのアメリカ音楽教育を中心とした話題提供をもとに、第二回研究会を開催する予定です。まもなく、ご案内できると思いますので、請うご期待。

 なお、川手氏からの当日の資料の一部をこちらに紹介します。また、当日の資料が必要な方は、三石まで、ご連絡ください。