教員養成研究

概要紹介

科学研究費・基盤研究(B)「教員養成の質的高度化に向けた専門職課程のカリキュラム開発と大学教員の専門職性開発」(22H01003小区分:教科教育学および初等中等教育学関連、2022年度~2026年度)
研究代表者 下田誠

 教員養成をめぐっては、2018年度までに教職大学院が全県に設置されたことに象徴されるように、優れた実践力・指導力、深い子ども理解をともなった教育がますます求められている。昨今、大学院レベルでの教員養成は広がりをみせているが、今問われていることは、教員養成の質的高度化である。今回の研究チームは、HATOプロジェクトという比較的規模の大きい4つの教員養成単科大学の教職員が連携・協働により「教員養成ならではの大学教職員PD(Professional Development)プログラム」を開発・運営してきた経験を機縁とする。2022年度より2つのリサーチクエスチョンと「教育の構造」というキーワードを手がかりに新たに共同研究を進めてきた。
 リサーチクエスチョンを先に示せば、「RQ1:教員養成のカリキュラムの開発と大学教員の専門職性開発の分断は専門職養成に共通する『教育の構造』ではないか」、「RQ2:教員養成の高度化に際し言及される『実践性』の多様性も専門職養成に共通する『教育の構造』ではないか」という2つの問いである。このRQのもと、A班(教員養成高度化に向けた「実践性」解明班)とB班(専門職養成をめぐる「教育の構造」解明班)に分かれ、内外の教員養成大学・学部および教職課程、及び他の専門職の養成にあたる大学・機関に聴き取り調査を実施し、議論を重ねてきた。なお、本研究でキーワードとなる「教育の構造」とは、個人の力ではどうすることもできない制度的・組織的条件または特質と考えている。そして、その「教育の構造」は良くも悪くも教員養成大学・学部の教育に影響を及ぼしている。

研究分担者(班ごと50音順/☆は班長)
A班:☆荒巻恵子(帝京大学) 高旗浩志(岡山大学) 張揚(北海道大学) 中村和弘(東京学芸大学) 三石初雄(東京学芸大学) 
B班:小谷健司(愛知教育大学) 片桐昌直(大阪教育大学) 十枝内康隆(北海道教育大学) ☆松田恵示(東京学芸大学) 望月耕太(神奈川大学)

教員養成の質的高度化に向けた専門職課程のカリキュラム開発と大学教員の専門職性開発(科研費)