東京学芸大学 男女共同参画推進本部
Office of Promoting Gender Equality at Tokyo Gakugei Univ.

ニュース&イベント

第22回男女共同参画フォーラムを開催しました。

【掲載日】2018.1.4

2017年11月3日(金・祝)、第22回男女共同参画フォーラムを開いた。「隠れていないジェンダーバイアス-男性学と性教育からダイバーシティへ-」をテーマに、関西大学の多賀太さんからは「男性学の射程と現代日本社会の諸相」と題し、男性学の来歴や可能性、論者の多様な立場についてお話しいただいたうえで、「男性優位社会」における「男の生きづらさの正体」や「男らしさ」と暴力の関係について論じていただいた。村瀬幸浩さんからは「男子の性教育」と題し、良好な人間関係を形成するうえで、性に対する肯定的な意識を育むことが重要であることをお話しいただいた。

日本思春期学会の村瀬幸浩さんからは「男子の性教育」と題し、良好な人間関係を形成するうえで、性に対する肯定的な意識を育むことが重要であることをお話しいただいた。また、男子生徒へのいじめの多くが深刻な性被害を含むにもかかわらず、そのようには認知されず、被害者が訴え出られる環境にないことなどの指摘があった。コメンテイターの本学教授金子真理子さんからは、研究面での性教育の立ち後れや男子の性的被害が隠蔽される力学、海外での取り組みなどについて論点を提示していただいた。

学生座談会やフロアーとの質疑では、学校現場や大人にすりこまれたジェンダーバイアスの問題、本音と建て前の乖離などが論じられ、名簿を男女混合にするだけで教員の世界観が変わるといった実例や、教育実習生が受けるセクシュアルハラスメントの深刻さ、学校での表面的な平等教育の弊害、管理職のリーダーシップの大きさや性教育に取り組む教員の姿勢が生徒を変えて行くといった点が指摘された。

また、学校現場で性的被害を受けた男子生徒が被害を訴え出られる環境をいかに準備するか、生徒のなかの序列(スクール・カースト)といかに向き合うかといった点が論じられ、教員が被害者からのメッセージを受け取る準備があることをつねに示しておくこと、被害者同士のピアサポートや相談機関の存在、いじめ集団から当事者を引き離す必要性、告発することが当然視されるような環境の有効性などが指摘された。参加者は67名(本学教職員11名、本学学生22名、地域住民5名、その他29名)。(文責:及川英二郎)

多賀太さん
  • 多賀太さん

    村瀬幸浩さん
  • 村瀬幸浩さん

    会場の様子
  • 会場の様子

    座談会(学生サポーター・金子真理子さん・演者)
  • 座談会(学生サポーター・金子真理子さん・演者)