Organization for Promoting Open Innovation in Education
今、起業を支援する「インキュベーション(Incubation)」という言葉が、教育においても大きな価値をもたらすものになると私たちは考えています。それは、私たちの中に広がる「それが当たり前」とか「必ずこうしなければいけない」といった、教育に対する生真面目な「思い込み」が広がっていて、教育それ自体が本来持つはずの「ワクワクドキドキする」とか「新しい出会いに感動」といった、枠からはみ出していくときに感じる「面白さ」が、私たちの中に生じにくくなっているように思えるからです。
教育は人の育ちを支えたり、人を育てたりすることを通して、私たちの日々の生活の豊かさや、社会の未来を創出する営みです。だとすれば、「私たちが望むこと」に向かって、教育のあり方は如何様にもむしろ自由に創ることができるはずです。「インキュベーション」という言葉は、このような教育のあり方に向かうための、私たちのマインドチェンジを誘う合言葉になるのではないでしょうか。
本機構では、このように「こうあったらいいのにな」「もっとこうしたい」といった「私たちが望むこと」を原動力として、現在、4つの活動の柱を立てて、教育イノベーションに資する取り組みを進めています。「教育インキュベーションセンター」「子どもの学び困難支援センター」「日本OECD共同研究プロジェクト」「特定課題解決共創プロジェクト」がそれらです。またこれらの取り組みにおいて共通に大切にしていることは、「大学に閉じない多様な人や組織と、連携・協働・共創すること」「学内の他の組織や学生・教職員とも連携し、学生・教職員の一人ひとりの主体的な参加を基盤として教育・研究活動を進めること」「活動の財源を学外との連携の中に求め、社会的インパクトの創出と自律・持続性のある取り組みを目指すこと」「失敗することを『善し』とすること」です。
これらのことは、教育と社会において、「ゼロ(0)からイチ(1)を創り出す」取り組みを進めるために欠かせないことだと考えています。本機構の活動を通じて、学内外の多様な人や組織との繋がりの中で、国内外の教育イノベーションを進める一翼を担えればと思います。多くの皆様に、広く、ご支援、ご協力をいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。