有為な教育者の育成を目的とする東京学芸大学に、教育インキュベーション推進機構が、2022年4月から設置されました。この機構は、3つのセンターと、機構内に設置される幾つかのプロジェクトで構成される組織であり、学部や大学院で行われている教育や研究とも密接につながりを持ちつつ、国内外、学内外の教育イノベーションを先導的に進めることをねらいとしたものです。「インキュベーション(Incubation)」という言葉は、本来「(卵を)孵化する」ということを現すもので、本機構を「教育インキュベーション」と名付けた意図は、「教育における新しい取り組み(創出・創業)を支援すること」を大学として組織的・計画的に進めていきたいという趣旨の中にあるということになります。
教育は「学び」を支える営みであり、「学び」は人を育ち、育て、人が交わり、つながり、そして社会を創りだす営みであると思います。そして何よりも「学び」は、「出会い」と「変化」を含む生きることの豊かさを生み出す営みでもあります。そのような「学び」を支える教育という営みは、だからこそ、本来、ドキドキ・ワクワクするものであるし、「面白い」ものであると考えます。教育の持つこのような「面白い」に焦点づけられて、今と未来が創り出される「開かれたコミュニティ」が、本機構を通じて支えられることができればと思います。
自由で闊達で「あそびの精神」に溢れた取り組みを、学内外の多くの皆様とご一緒に進めることができれば幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。