「教員養育教育認定評価」の概要

「教員養成教育認定評価」は、国公私立約600大学を対象とし、教員養成教育に特化した評価システムで、 各大学における内部質保証の推進をサポートすることにより教員養成教育の水準を総体として維持・向上することを目指しています。 参加は任意ですが、学校や教育委員会の協力も得つつピア・レビューを中心に行うことから、相互に学び合うコミュニティとしての広がりを強く期待しています。
 5つの基準領域からなる評価基準と、ピア(教師教育組織)とステイクホルダー(教育行政組織、教員組織、学会など)からなる全国組織を提案しています。

【図1】教員養成教育を総合的に評価する5つの基準領域
【図2】「ピア」+「ステイクホルダー」の全国組織

教員養成教育認定基準

基準領域1
  • 構成員の合意に基づく主体的な教員養成教育の取り組み
基準1-1 教員養成教育に対する理念の共有
  • 観点1-1-1:当該機関で養成しようとする教員像について構成員が共通理解している
  • 観点1-1-2:当該機関の設置理念に適う教員養成教育について構成員の合意を形成している
  • 観点1-1-3:「公教育の教員を養成する」という認識を構成員が共有している
  • 観点1-1-4:当該機関における主要な進路のひとつとして「教職」を位置づけている
基準1-2 教職課程のカリキュラム編成の工夫
  • 観点1-2-1:当該機関として適切なディプロマ・ポリシーを設定している
  • 観点1-2-2:当該機関のアドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーに一貫性がある
  • 観点1-2-3:大学の教育活動と社会(外部)との積極的な関わりを構築している
基準1-3 教職員の組織体制に関する工夫
  • 観点1-3-1:研究者教員と学校現場での優れた実践経験を有する教員との共同指導体制を構築している
  • 観点1-3-2:事務系組織も含め、教職員全体で学生の学びを支援している
基準1-4 教職課程に対する自律的・恒常的な改善システムの構築と運用
  • 観点1-4-1:学生の教職志向を把握し、学部教育の改善に活かしている
  • 観点1-4-2:当該機関の教員養成教育のあり方を恒常的に見直す体制を構築している
  • 観点1-4-3:当該機関における教職履修者数が適正な範囲である
  • 観点1-4-4:大学の授業の質的向上のために組織的な取り組みを展開している
基準領域2
  • 教職を担うべき適切な人材の確保
基準2-1 教職課程への学生の導入に関する工夫
  • 観点2-1-1:教職を担うにふさわしい人材を集めるアドミッション・ポリシーを設定している
  • 観点2-1-2:教職を担うにふさわしい学生の募集・選抜・選考等を実施している
  • 観点2-1-3:教職を担うにふさわしい人材の確保について恒常的な改善に取り組んでいる
基準2-2 教職課程履修生/教職志望学生への適切な支援と指導
  • 観点2-2-1:教職志望の学生の学習ニーズ(適性・意欲およびそれに基づいた学習課題)を把握している
  • 観点2-2-2:教職志望の学生に対する適切な履修指導を行っている
  • 観点2-2-3:教職への適性が乏しいと判断された学生に対して適切な指導を行っている
基準領域3
  • 教職へのキャリア・サポート
基準3-1 教職への意欲や適性の把握
  • 観点3-1-1:在学中の折々に学生の教職に対する意欲を把握している
  • 観点3-1-2:在学中の折々に学生の教職に対する適性を把握している
  • 観点3-1-3:個々の学生のニーズの把握に基づいた適切なキャリア支援を行っている
基準3-2 履修指導を支える組織体制やシステムの充実
  • 観点3-2-1:教職入職に関する各種の情報を適切に提供している
  • 観点3-2-2:教員養成教育の成果の検証を踏まえた改善システムを構築している
  • 観点3-2-3:教員免許状の取得や教員採用試験合格のみをゴールとしない、多様なキャリア支援に取り組んでいる
  • 観点 3-2-4:在学中のメンタル・サポートの体制を整えている
基準領域4
  • 大学教育の一環としての教員養成カリキュラムの運営
基準4-1 大学としての自律性とスタッフ・教育課程の充実
  • 観点4-1-1:大学としてふさわしい自律的な運営体制を構築している
  • 観点4-1-2:幅広い教養教育をベースとした専門性の高いカリキュラムを提供している
  • 観点4-1-3:教員の研究成果と教育内容とを有機的に関連させている
  • 観点4-1-4:当該機関の設置理念・目的を構成員が共有している
基準4-2 創造的な課題発見・課題解決を促す修学環境や授業方法の充実
  • 観点4-2-1:学生自身による課題発見・課題解決型の学習を促す工夫に取り組んでいる
  • 観点4-2-2:学生間の協同による課題発見力・課題解決力や合意形成力を育成する場を設定している
  • 観点4-2-3:学生の研究志向を育むカリキュラムを提供している
基準領域5
  • 子どもの教育課題と大学教育との関連づけ
基準5-1 学校現場への理解と教育実習の充実
  • 観点5-1-1:公教育システムと学校についての広い視野を醸成する機会を提供する
  • 観点5-1-2:教育の実際場面に学生が触れる機会を設定する
  • 観点5-1-3:取得する教員免許状の特性に応じた実践的指導力を育成する
基準5-2 体験の省察・構造化の充実に関する工夫
  • 観点5-2-1:様々な体験活動とその省察による往還の機会を提供する
  • 観点5-2-2:様々な発達段階に関する教育実践的な情報を提供する
基準5-3 教育関連諸機関との連携・協力体制の構築と充実
  • 観点5-3-1:教育委員会や学校と大学との組織的な連携協力体制を構築している
  • 観点5-3-2:当該機関の教員養成教育に適う学校現場等での優れた実践経験を有する者を招聘・採用している
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