平成26年度の新規登録者は、主に環境教育や理科を学ぶ1,2年生から16名で、これまでの登録者とあわせると38名となり、延べ参加者数は108名となりました。
<2014(平成26)年5月18日(日)若柳嵐山の森(相模湖畔)>
一昨年・昨年にひきつづき、NPO法人 緑のダム北相模の定例活動に合流・参加しました。午前中は、石村黄仁氏(同法人代表理事)やスタッフの方々に森の中を案内して頂き、森林の持つ機能や植生について、解説して頂きました。険しい獣道を歩いたため、驚いた参加者もいましたが、森の全体像がわかりやすいルートでした。午後は、宮村連理氏(杉並区立高井戸中学校教諭)の指導の下、中学生とともに下草刈りを行いました。通いつづけて作業が慣れている中学生から、アドバイスを受けながら、作業を行いました。暗く鬱蒼としていた区域が、作業が進むにつれて明るくなっていき、作業前後では見違えるほどの景色になったことで、大きな達成感を得ることができました。そのような活動の一つ一つが、森づくりの重要な役割を果たしていることを実感すると同時に、定期的な活動の重要性も認識できました。
<2014(平成26)年6月22日(日)小金井市環境楽習館>
小金井市内を自転車でめぐりながら、小金井の歴史や文化を学ぶ予定でしたが、生憎の雨模様のため、座学のみの開催となりました。小金井市環境市民会議から串田光弘氏、瀧本広子氏を講師に迎え、昔の写真などをスライドで見せていただきながら、小金井の歴史について解説いただきました。昼食には、小金井のアンテナショップから取り寄せた、地元の農家さんが作ったいろいろな野菜を盛り込んだお弁当を食べ、まさに小金井づくしの講座となりました。残念ながら、実際に自転車でまちをめぐることはできませんでしたが、また時期をあらためて機会を設け、小金井について学びを深める予定です。
<2014(平成26)年7月26日(土)東京学芸大学環境教育研究センター>
今年度も、今井美代子氏・喜多征子氏をはじめとする小平郷土研究会の5名の方を講師に迎え、武蔵野うどんづくり体験を行いました。武蔵野うどんとは大学がある武蔵野地域に伝わる郷土料理で、毎年この時期に講座を開催し、地域について学びを深める一環としています。これまで同様、通常の小麦粉のほか、センター付設教材植物園(農園)で収穫した小麦を、職員が精麦し、小麦粉にしたものも使用し、うどんづくりを行いました。うどんの生地を寝かせている時間には、郷土食としてのうどんが広まった背景など、武蔵野の生活文化についてお話を聞き、理解を深めました。
<2014(平成26)年9月22日(月)〜24日(水)神奈川県足柄上群山北町>
身体全体を使って、環境教育を学び直すことを目的に、NPO法人 くだかけ会(神奈川県南足柄市)の拠点の一つ、くだかけ生活舎を訪れました。和田重良氏(同法人代表)、一良氏の親子にご指導いただきながら、日常生活の基本(炊事、掃除、風呂焚き、薪割りなど)に加えて、畑作業や養鶏作業を体験しました。さらには、絞めた鶏の羽をむしる作業も体験し、街中の日々の生活では見えにくい部分に触れることができました。表立った日常生活の背景にある様々な要素と直接向き合える創造的な生活を体験し、環境教育について学びを深める講座となりました。
<2014(平成26)年10月11日(土)〜13日(月・祝)宮城県南三陸町>
東日本大震災の被災地である宮城県南三陸町を訪れるフィールドスタディツアーを実施しました。一昨年・昨年に引き続き、津波で被災した水田を「ふゆみずたんぼ」(冬期湛水水田)として再生・復興に取り組む活動に参加し、他のボランティアグループの方々と共に、稲刈りとはさがけの作業体験をしました。また、合間には地元の方々(漁師さん、資料館館長、復興団体役員)に、それぞれ震災当時の被災体験を交えながら、3年半が経過した現在の状況などを講話いただく機会も設けました。津波で被災した地区を散策しながら当時の状況をご説明いただき、また海岸沿いに整備中の森林も訪れ、子ども向けの環境教育実践について解説していただきました。さらには、気仙沼市小泉地区にも足を運び、建設予定の防潮堤について、実際に現場を歩きながら学ぶことができました。このようなさまざまなプログラムにより、参加者は自然と共存する持続可能な地域をつくる意義について深く考えることができた講座となりました。
<2014(平成26)年12月10日(水)東京学芸大学環境教育研究センター>
小金井市環境市民会議の瀧本広子氏を講師に迎え、農園で収穫した稲藁を用いた正月飾りづくり体験を行いました。しめ飾りは、全国各地域で形や飾る時期などの文化が異なっており、作り方もそれぞれ異なっているなかで、今回は東京都・神奈川県地方に伝わるしめ飾りづくりを体験しました。また、藁を用いた民具が地域ごとに多種多様であり、それが気候風土や稲の収穫量との間に相関関係があることを解説いただきました。藁を事前に少し湿らせ叩いておくなど、藁という繊維の性質に抗わない手法で、伝統的なしめ飾りをつくることができ、昔の生活と文化が連関していることを学ぶ機会となりました。
なお、この講座で学んだことを、翌週に予定されている小学校での授業支援などで活用してもらうことも目的の一つとし、講座と授業支援を連関させた取り組みとなりました。
<2014(平成26)年12月13日(土)オリンピックセンター>
当センターが中央センターを担い、文部科学省が推進しているグローブ事業に参加している全国の学校の児童・生徒が集い、研究発表を行う第8回「グローブ日本 生徒の集い」の公開プログラムに合流・参加しました。
<2014(平成26)年12月20日(土)環境教育研究センター>
当センター主催の2014年度環境教育セミナーを第8講として組み込みました。「地域コミュニティーと環境教育」のテーマのもと、地域住民とともに里山里海をフィールドとした環境教育活動を実践する3名の方々をお招きし、地域密着型の環境教育についてご報告いただきました。
<2015(平成27)年1月22日(木)環境教育研究センター>
当センター主催の第6回小金井・国分寺・小平「環境教育実践フォーラム」に合流・参加しました。今回は、テーマを「学校におけるビオトープ」とし、地域と連携した学校ビオトープ活動について、北区立浮間小学校の皆さんに発表いただきました。
<2015(平成27)年3月23日(月)環境教育研究センター>
これまでの講座全体をふりかえり、今後の講座内容について自分たちで案を出し合うワークショップを実施しました。個人でのふりかえりを基に、グループで意見を出し合い、グループごとに来年度のスケジュールを考え、案を発表し合いました。多様なフィールド体験や、教育実践の場がありますが、それらの経験をふりかえることで、自らを見つめ直す機会にもなり、また今後の運営企画を自分たちで担っていくことを意識する機会となりました。
<2014(平成26)年10月8日(水)>
国分寺市立第八小学校では、近くにあるハケ(国分寺崖線)とその雑木林の学習に取り組んでおり、年間を通じて、ゲストティーチャーを招いたり、雑木林を訪れたりして、様々な形態で学習を深めています。その中の一環として、大学生による学習支援を実施しました。
事前に、子どもたちが雑木林に出かけて疑問に感じたことなどを質問表にまとめてもらい、その答えを大学生がゲストティーチャーとして子どもたちに解説するというかたちで授業を実施しました。質問に基づいて、昆虫@(クワガタ・カブトムシなど)、昆虫A(ハチ・セミなど)、植物@(キノコなど)、植物A(ドングリ・イロハモミジなど)、植物B(くっつく実など)、の5グループに分かれ、それぞれのグループで教材を準備しました。実体顕微鏡を用いて実物を観察させたり、紙芝居形式で解説したり、また鳴き声を聞かせたり、映像を見せたりするなど、子どもたちが理解しやすいように、さまざまな工夫を凝らした学習支援を行いました。
<2014(平成26)年10月16日(木)>
小平第三小学校は、本学近隣という立地を活用し、センター付設教材植物園の水田の一画を利用し、稲作の体験学習を実施しています。今回は、教材植物園のスタッフ指導のもとに行われた稲刈り体験を支援しました。
一学年一斉に作業には取り掛かれないため、クラスごとに稲刈りと稲架掛けを実施しました。のこぎり鎌の扱い方や、刈り取った稲の束ね方などを、スタッフや引率の先生方と共に子どもたちに寄り添いながら指導し、より安全面に注意を払うことなど、学校外での授業支援ならではのポイントを学ぶことができた支援となりました。
<2014(平成26)年12月16日(火)、18日(木)>
小金井市環境市民会議の環境学習部会による小金井第四小学校への授業支援に合流・参加しました。
校内の一画にある田んぼでは、5年生によって、田植え・稲刈りが行われ、生長の記録や稲に関わる調べ学習が行われてきました。「わら」を使った民具に触れ、実際に正月飾りを製作することで「綯う」「撚る」「結う」作業を体験しながら、古来より伝えられてきた稲作文化や、もの作りの文化に触れることを目的とした総合学習の支援を行いました。
環境市民会議の方が、教室前で作り方の説明をする中で、複雑な手の運び方に戸惑う子どもたちの近くで作り方を示すなど、講師の目が届きにくい部分を担いました。子どもたちの充実した学びとなるように、講師と協力した支援をすることができました。
また、授業時間だけでなく、前々日の教材準備にも関わり、教育実践が行われる際には、当日の授業だけでなく、事前の準備に大きな労力を要し、この過程が非常に大切であることを実感できた支援となりました。
受講生を2グループに分けて担当を割り振り、下記の2つの機会における環境教育プログラムを、グループごとに話し合いを重ねて、企画立案し、準備・実施しました。講座での学び(フィールド体験)や、学校での授業支援とは異なり、何もない状態からのスタートで、各々の興味関心から意見を出し合い、グループで調整し、実施可否の判断など、さまざまな要素を総合的に検討しながら企画を進めました。プログラムで使用する教材の準備や手配などもすべて自分たちで担い、教育実践プログラムを実施する機会を最初から最後まで経験する機会となりました。
<2014(平成26)年11月2日(日)〜3日(月・祝)>
本学の学園祭である小金井祭において、学生参加団体の企画展示の一つとして、子どもを対象とした環境教育プログラム「みんなあつまれ!自然・環境たんけんたい」を実施しました。夏休み前から企画検討を始め、教室内でさまざまなプログラムを実施するため、担当ごとに展示班・工作班・実験班などに班分けし、それぞれに準備を進めました。牛乳パックを利用した再生紙づくり、自転車発電体験、水循環の仕組みを模型で説明するなど、工夫を重ねたプログラムを実施し、当日はたくさんの子どもたちが訪れ、笑顔あふれる企画展示となりました。
<2014(平成26)年12月13日(土)>
グローブプログラムに参加する全国の学校の児童・生徒が集まり、研究発表を行う第8回「グローブ日本 生徒の集い」に参加したグローブ校の小学生を対象に、環境教育プログラムを実施しました。スノードームづくりを通して、動植物の食物連鎖について考え、生物多様性について学ぶという内容で、これは受講生がアイデアを持ち寄って、ゼロから作り上げたオリジナルプログラムです。当日の進行(話し方や伝え方)にも各々の意思を反映させ、より魅力あるプログラムを実践できたことで、子どもたちの興味・関心を広げることにつながり、また自分たちの達成感も得られる相乗効果のあらわれる取り組みとなりました。