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東京学芸大学 腰越研究室

トピックス

腰越 滋 研究室 大学院授業報告

※ 2001(平成13)年度 後期(秋学期)より修士課程授業担当。

2014(平成26)年度

春学期: 学校社会学特講 ― 昼間(月5)

平成26年度春学期においては、「方法」の学問である社会学の性格に則り、教育学・心理学をはじめとする人文社会科学で頻出するようになっている「メタ分析」にチャレンジした。採り上げた理由としては、自ら実査することは勿論大切だが、既存の調査結果を比較することからモノを言うことも、先行研究をより深く吟味することに繋がり、重要なことなのではないかと考えたからである。 講義者の勉強不足もたたって、思うように理解できない部分もあったように思うが、将来的には受講者が、既存調査データを一つの根拠として冷静な分析を展開し、それを基に、議論を展開できるようになればよいと考えた。

  • ☆山田 剛史・井上 俊哉 編著 2012,『メタ分析入門 心理・教育研究の系統的レビューのために』,東京大学出版会( ISBN 978-4-13-042072-3 ¥3200E )。
秋学期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

平成26年度秋学期では、春学期に方法論に拘った分、まず6限では実査データに基づく議論の展開を確認できる文献を取り扱うことにした。内容的には扱いやすい中身ではなかったが、データ解析をベースに議論を展開できる著者の力量を垣間見ることが出来たように思われる。  続いて7限では、現職教諭のことや、専修免を取得して教員として活躍しようとするストレートマスターなどを想定し、まずは教員環境の国際比較調査結果報告を採り上げることにした。タリス(TALIS)と呼ばれる、この教員環境調査では、日本の中学校教諭が他国と異なり厳しい状況に置かれている部分が随所に窺われた。よって少ない受講者数ながらも、裨益するところ大であると考えられた。  また、TALIS調査報告書の輪読を終えた後は、春学期からの流れで量的調査の分析に習熟することをも狙い、アンケート調査に言及した書を選んだ。7限の『アンケート調査入門』については、6限7限と受講生がダブる部分があったので、6限の『入試改革の社会学』読了後は、6限7限と通しで輪読し、前章を読み終えることができるよう、授業運営を幾分工夫していった。

  • 昼間(月6): ☆中澤 渉 2007,『入試改革の社会学』,東洋館出版社(ISBN 978-4-491-02246-8 \6857E)。
  • 夜間(月7): ☆国立教育政策研究所(NIER) 編 2014,『教員環境の国際比較 OECD国際教員指導環境調査(TALIS) 2013年調査結果報告書』,明石書店(ISBN978-4-7503-4035-7 \3500E)。  ☆朝野 煕彦 編著 2011,『アンケート調査入門 失敗しない顧客情報の読み方・まとめ方』,東京図書(ISBN978-4-489-02113-8 \2400E)。

2013(平成25)年度

春学期: 教育社会学研究法 ― 昼間(月5)

平成25年度春学期においては、他専攻・他領域からの履修者や留学生の受講生でもアクセスがしやすいように、下記の教育社会学の啓蒙的な要素を含む著作をテキストとした。 方法としては、各人の関心に応じて担当する章を決めてもらった上で報告してもらい、輪読形式で進めていくこととした。その際、他専攻・他領域履修者には担当章の要約に力点を置いてもらい、逆に教育社会学領域の履修者には、担当章の要約に加え、各自の認識レヴェルに応じて、付随する参考文献や論文なども紹介してもらうことを求めた。

  • ☆北澤 毅 編 2011,『<教育>を社会学する』,学文社(ISBN978-4-7620-2215-9 ¥2400E)。
秋学期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 平成25年度秋学期は、以下に示す教育社会学関連書籍をテキストに選定した。 まず昼間部であるが、理論について造詣を深めてみようと考え、テキスト選定した。従来多かった翻訳ではなく、今回は理論家の議論を日本人の研究グループがどう読み解き、独自の議論を展開しているかを知ることに関心を焦点づけ、読み進めることとした。 次に夜間部は、才能教育について考えた。これは講義者が大学入学者選抜試験の研究の時代に、高得点者の追跡研究を行っていたことに由来する。ただし本テキストは、ハイ・タレントという意味だけで「才能」という言葉が用いられているのではなく、全ての子どもには才能を発現し開花させる権利と可能性がある、という哲学が前提となっている。したがって、エリート研究用のみのテキストではないことを申し添える。 授業形式に関しては、春学期とほぼ同様で、レポーターを決めての報告の後、ディスカッションの時間を出来るだけ多くとるように努めた。

  • 昼間(月6): ☆久冨・小澤・山田・松田 編著 2013,『ペダゴジーの社会学 バーンスティン理論とその応用』,学文社。\2940 (ISBN 978-4762023781)。
  • 夜間(月7): ☆岩永 雅也・松村 暢隆 2010,『才能と教育 ~個性と才能の新たな地平へ~』,放送大学教育振興会。\2730 (ISBN: 978-4595139352)。

2012(平成24)年度

春学期: 学校社会学特講 ― 昼間(月5)

平成24年度春学期においては、下記の教育社会学の翻訳本をテキストとし、日本の状況に留まらず、グローバルな視座から展開された教育社会学のパラダイムについて検討を加えてみることにした。 方法としては、各人の関心に応じて担当する章を決めてもらった上で報告してもらい、輪読形式で進めていくこととした。その際、他専攻・他領域履修者には担当章の要約に力点を置いてもらい、逆に教育社会学領域の履修者には、担当章の要約に加え、各自の認識レヴェルに応じて、付随する参考文献や論文なども紹介してもらうことを求めた。

  • ☆J.H.バランタイン、F.M.ハマック著 牧野 暢男・天童 睦子 監訳 2011,『教育社会学 現代教育のシステム分析』,東洋館出版社(¥6500E ISBN978-4-491-02728-9)。
秋学期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 平成24年度秋学期は、以下に示す最新の教育社会学リーディングス2冊をテキストに選定した。 まず昼間部であるが、教育を時に規定する「文化」をキーワードに据え、文献を決定した。翻訳の限界はあるものの、解説をまず輪読してから各章の検討へと入っていった。 次に夜間部は、市場と労働といった経済と教育の絡みについて考えていった。受講生には、社会人の科目等履修生も含まれていたため、ストレートマスターにはない刺激を与えてもらうことが出来、演習の議論が活性化したように思う。 授業形式に関しては、春学期とほぼ同様で、レポーターを決めての報告の後、ディスカッションの時間を出来るだけ多くすることに努めた。

  • 昼間(月6): ☆H. ローダー 編, Ph. ブラウン 編, J-A. ディラボー 編, A. H. ハルゼー 編, 苅谷 剛彦 編訳, 志水 宏吉 編訳, 小玉 重夫 編訳,2012,『グローバル化・社会変動と教育2 文化と不平等の教育社会学』,東京大学出版会(\4800E ISBN978-4-13-051318-0 )。
  • 夜間(月7): ☆H. ローダー 編, Ph. ブラウン 編, J-A. ディラボー 編, A. H. ハルゼー 編, 広田 照幸 編訳, 吉田 文 編訳, 本田 由紀 編訳,2012,『グローバル化・社会変動と教育1 市場と労働の教育社会学』,東京大学出版会。(\4800E ISBN978-4-13-051317-3 )。

2011(平成23)年度

春学期: 教育社会学研究法 ― 昼間(月5)

平成23年度より奇数年度のみの制限付きではあるが、教育実践研究法科目群での教育社会学系科目である「教育社会学研究法」を、再度開講することにした(2010年度は開講せず)。このことにより、教育社会学領域の大学院生はもとより他領域・他専攻の大学院生にも、広く履修が保証されることとなった。結果としては留学生の大学院生や他専攻の大学院生などの履修も見られ、従前よりは学際的な雰囲気の演習が実現できたように思う。 テキストとしては、他領域・他専攻の履修者にもアクセスしやすいであろう教育社会学の最新の教科書を用意することとした。そして、各人の関心に応じて担当する章を決めてもらった上で報告してもらい、輪読形式で進めていった。各章の担当者には、担当章の要約に加え、各自の認識レヴェルに応じて、章で紹介された参考文献や論文なども紹介してもらうよう促した。 なお他専攻履修者も多いため、期末レポートの提出も求め、適正かつ穏当な評価を心がけた。

  • ☆若槻 健・西田 芳正 編、志水 宏吉 監修 2010,『教育社会学への招待』,大阪大学出版会(¥2400E ISBN978-4-87259-295-5)。
秋学期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 平成23年度秋学期は、以下のような授業内容を考えた。 まず昼間は、教育社会学の古くて新しい問題である「選抜」の問題に回帰し、大学進学を巡るリーディングスを採り上げた。最近の議論は「選抜」のみではなく「(教育)接続」も重要なキーワードとなっているので、両者の観点から、受講者と共に、大学入試を捉え直すことを狙った。 次に夜間は、講義者の関心領域の一つであることはもとより、他専攻の履修者にもアクセスしやすい教育の背後にあり、教育を時に規定する「文化」をキーワードに文献を選定した。結果としては、他専攻からも複数名の履修があり、演習の議論が活性化したように思う。 授業形式に関しては、春学期とほぼ同様で、レポーターを決めての報告の後、ディスカッションの時間を出来るだけ多くすることに努めた。

  • 昼間(月6): ☆中村 高健康 編著,2011,『リーディングス日本の高等教育① 大学への進学 ~選抜と接続~』,玉川大学出版部。\4500E (ISBN 978-4-472-40410-8)。
  • 夜間(月7): ☆稲垣 恭子 編,2011,『教育文化を学ぶ人のために』,世界思想社。\2200E (ISBN978-4-7907-1524-5)。

2010(平成22)年度

前期: 学校社会学特講 ― 昼間(月5)

平成22年度前期においては、他専攻・他領域の履修者も増えてきたことに鑑み、教育社会学の研究対象を広く鳥瞰できるような文献を考えた。 そこでテキストとしては、教育社会学の最新の教科書を用意し、各人の関心に応じて担当する章を決めてもらった上で報告してもらい、輪読形式で進めていくこととした。その際、他専攻・他領域履修者には担当章の要約に力点を置いてもらい、逆に教育社会学領域の履修者には、担当章の要約に加え、各自の認識レヴェルに応じて、付随する参考文献や論文なども紹介してもらうことを求めた。

  • ☆岩井 八郎・近藤 博之 編著,2010,『現代教育社会学』,有斐閣(ISBN978-4-641-18382-7 C1336 \2200E )。
後期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 平成22年度後期は、以下のような授業内容とした。 まず昼間は、学力概念が従来のachievementだけでなく、competenceの軸を取り込んだものに広がりつつある昨今の状勢を鑑み、学力について考えるリーディングスを用意した。リーディングスは上下巻の二冊構成であったが、アクチュアルな問題によりてっとり早くアクセスしたいという思いから、現代に近い論考が収められた下巻を扱うことにした。 次に夜間は、かねてからの講義者の関心領域の一つである子どもの社会化(socialization)の問題に立ち返り、初期社会化の主たる舞台の一つである定位家族にスポットをあてた文献を採り上げた。編著者は図らずも気鋭の社会学者と教育学者であり、社会学と教育学のパラダイムの違いについて考えていくことも狙いとして掲げた。また、学校での子どもの問題行動について議論する前に、まずは家庭での親子関係の問題などを考察する必要があることを、本書から学び取ることができたように思う。 授業形式に関しては、前期とほぼ同様で、レポーターを決めての報告の後、ディスカッションの時間を出来るだけ多くすることに努めた。

  • 昼間(月6): ☆山内 乾史&原 清治 編著,2010,『論集 日本の学力問題 下巻 学力研究の最前線』,日本図書センター( ISBN978-4-284-30339-2 \4800E )。
  • 夜間(月7): ☆広井 多鶴子&小玉 亮子 編著,2010,『現代の親子問題 なぜ親と子が「問題」なのか』,日本図書センター( ISBN978-4-284-30441-2 \2800E )。

2009(平成21)年度

前期: 学校社会学特講 ― 昼間(月5)

平成21年度前期においては、格差社会という言葉をキーワードに、その元凶とも捉えられがちな新自由主義教育改革について考えてみることにした。 テキストは、教育社会学の領域とはやや守備範囲が違うものを選定したこともあり、人によっては啓蒙的であり、人によっては難解であると考えられた。したがって、各自の関心に応じて適宜参考文献や論文を紹介しつつ、まずは担当箇所を纏めてもらい、その報告を聞きながら、受講者全員で認識を深めていくことを狙った。

  • 昼間(月5): ★佐貫 浩・世取山 洋介 編著,2008,『新自由主義教育改革 その理論・実態とその対抗軸』大月書店(ISBN978-4-272-41191-7 C0037 \3600E)。
後期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 平成21年度後期は、以下のような授業内容とした。 まず昼間は、前期の課題意識を引き継ぐ意味もあり、日本に先駆けて教育制度改革を実行してきたイギリスの事例を紹介した書物を採り上げることにした。というのは、原著自体は85年のものであるが、新自由主義的思潮下で格差の問題などが現実味を帯びる今日の日本にとって資するところがあると考えたからである。 次に夜間は、現職小学校教諭の聴講生や現職高校教諭院生などが受講者に含まれていたことなどから、学校実践現場からもストレとマスターからも、意見を聴取しやすいようなテキストを検討した。そのことにより、双方が活発に意見交換し、相互に学び合う場を提供できればと考えたからである。 授業形式に関しては、前期とほぼ同様で、レポーターを決めての報告の後、ディスカッションの時間を出来るだけ多くすることに努めた。

  • 昼間(月6): ★ジェフ・ウィッティ著(1985),久富・松田・長谷川・山田・梅景・本田・福島 訳 2009,『学校知識 カリキュラムの教育社会学 イギリス教育制度改革についての批判的検討』,明石書店(ISBN978-4-7503-2952-9 \4800E)。
  • 夜間(月7): ★広田 照幸,2009,『格差・秩序不安と教育』,世織書房(ISBN978-4-902163-44-5 \3600E)。

2008(平成20)年度

前期: 学校社会学特講 ― 昼間(月5)

平成20年度前期には、学歴・学校歴問題をダイレクトに検討するというよりも、そこからやや距離をとって、今日の教育社会学の理論に言及した文献を検討する。いわばやや外側から眺めることで、学歴・学校歴問題に新しい視点や気付きを得たいと考えた。即ち、現代社会全般に言及した文献を考察することで、学歴・学校歴社会問題はもとより、それに関連した格差社会の問題などへも目配りできる、複眼的な思考のスタイルの形成を目指したいと考えたわけである。 テキストは、人によっては啓蒙的でもあり、人によっては難解であると思われた。受講者には、適宜参考文献や論文を紹介して貰いながら、自分なりにプレゼンテーションをして頂き、受講生全体と共に認識を深めていくことを狙った。 ★天童 睦子 編著 2008,『知識伝達の構造 【・・・教育社会学の展開・・・】』,世界思想社,ISBN978-4-7907-1316-6, \1800E

後期: 教育社会学調査演習 ― 昼間(月6)、教育社会学研究B ― 夜間(月7)

 後期には、6限には社会化の理論を再考するテキストを採り上げ、社会化理論をじっくりと学修することを狙った。また7限は、現職教諭大学院生などに、特に裨益するよう、啓蒙的で教師のことなどが採り上げられている教育社会学のテキストを扱うこととした。

  • 昼間(月6): ★門脇・北澤 編 2008,『山村 賢明 教育社会学 論集 社会化の理論』,世織書房, ISBN978-4-902163-38-4, \4400E。
  • 夜間(月7): ★久冨 善之・長谷川 裕 編 2008,『教師教育テキストシリーズ5 教育社会学』,学文社。\1800E(ISBN978-4-7620-1655-4)。

2007(平成19)年度

前期: 学校社会学特講 ―「学歴・学校歴社会に関する議論の考察C」―

平成19年度前期は、学歴・学校歴社会について様々な角度から議論が展開されているリーディングスを採り上げた。授業形式は、精選された論文を分担を決めて各回の報告者にレポートしてもらう演習方式を採用した。その際、ディスカッションを十分に行い、成員相互の認識が深まることを狙った。

  • 昼間(月5): ★本田 由紀・平沢 和司 編著 2007,『リーディングス 日本の教育と社会② 学歴社会・受験戦争』,日本図書センター。
後期: 教育社会学調査演習 ―「教育社会学データの検討C」―

 平成19年度後期は、今日喧伝される格差の問題と学歴社会の問題を、データをベースに検討した文献を扱った。授業形式は前期と同様である。テキストを通して、データの分析を踏まえての議論の展開の仕方を、受講生に学んで貰うことを企図した。 また今年度は、受講希望者があったため、6限も開講し、教育社会学に関するテキストを検討した。授業形式は5限に同じである。

  • 昼間(月5): ★吉川 徹 2006,『学歴と格差・不平等 ―成熟する日本型学歴社会― 』,東京大学出版会。
  • 夜間(月6): ★竹内 洋 2007,『改訂版 学校システム論』, 放送大学教育振興会。

2006(平成18)年度

前期: 学校社会学特講 ―「学歴・学校歴社会に関する議論の考察B」―

平成18年度前期は、「格差社会」化が進むとされる日本の現況下で、実際にその波を直撃し影響を受けていくであろう若者を、特に念頭に置きながら、下記の2文献を順に検討した。形式・方法は、共通のテキストに関して毎回報告者を決めてレポートしてもらう演習方式とした。その際、ディスカッションを十分に行い、成員相互の認識が深まることを狙った。

  • 昼間(月5): ★速水 敏彦 2006,『他人を見下す若者たち』,講談社現代新書。 ★本田 由紀 2005,『多元化する「能力」と日本社会 ハイパー・メリトクラシー化のなかで』,NTT出版。
後期: 教育社会学調査演習 ―「教育社会学データの検討B」―

 平成18年度後期は、教育社会学領域の大学院生のみが受講者であったため、調査方法を概説した以下の文献の検討を行った。方法は前期と同様である。この文献により量的・質的方法などに関して、多角的に学習した。また輪読の中盤やテキスト輪読終了後に、受講者各人の修士論文構想を検討する場を設けた。このことにより、どのような調査を行ったり、どのようなデータを活用したりするのかに関して、受講生の考えや計画を確認していった。

  • 昼間(月5): ★大谷・木下・後藤・小松・永野,2005,『社会調査へのアプローチ 第2版―論理と方法―』,ミネルヴァ書房。

2005(平成17)年度

前期: 学校社会学特講 ―「学歴・学校歴社会に関する議論の考察」―

平成17年度前期は、「格差社会」化が喧伝される現在の日本の状況を念頭に置き、下記の文献を検討した。形式・方法は、共通のテキストに関して毎回報告者を決めてレポートしてもらう演習方式とした。その際、ディスカッションを十分に行い、成員相互の認識を深めあうことを狙った。

  • 昼間(月5): ★渡辺 雅男 2004,『階級! 社会科学の概念装置』,彩流社。
後期: 教育社会学調査演習 ―「教育社会学データの検討」―

 平成17年度後期は、受講者の了解を得て以下の文献の検討を行った。方法は前期と同様である。内容的には、教育学研究の方法論を解説した書を輪読することとした。量的質的データを含んだ教育社会学研究を個別に検討する形は取らなかったものの、様々な方法論が紹介されている本書を検討することで、量的・質的方法などに関して、多角的に学習することが可能となった。  また夜間(月6)に関しては、現職教諭の方が受講生ということもあり、下記テキストを媒介にしながら現場で生起する様々な児童・生徒を巡る問題について考察を深めることを狙った。

  • 昼間(月5): ★立田 慶裕 編 2004,『教育研究ハンドブック』,世界思想社。
  • 夜間(月6): ★苅谷・志水 2003,『学校臨床社会学 ―「教育問題」をどう考えるか― 』, 放送大学教育振興会。

2004(平成16)年度

前期: 学校社会学特講 ―「学歴・学校歴社会に関する議論の考察」―

平成16年度前期には以下の文献を検討した。形式・方法は、共通のテキストに関して毎回報告者を決めてレポートしてもらう演習方式とした。その際、ディスカッションを十分に行い、成員相互の認識を深めあうことを狙った。

  • 昼間(月4): ★橋本 健二 2003,『階級・ジェンダー・再生産 ―現代資本主義社会の存続メカニズム― 』,東信堂。
後期: 教育社会学調査演習 ―「教育社会学データの検討」―

 平成16年度後期は、受講者の了解を得て以下の文献の検討を行った。(夜間に関しては受講生なし)。方法は前期と同様である。今年度に関しても、テキストがメタ理論研究の色彩が強く、量的質的データを含んだオーソドックスな教育社会学的研究について検討を加えていくという課題からは、やや離れたものとなった。方法論やデータ解析に関して言及する授業のデザインを、反省点として次年度には検討したい。(☆の文献は、概要に関して授業一回分ずつをわりあてながら検討)。

  • 昼間(月4): ★立岩 真也 2004,『自由の平等 -簡単で別な姿の世界- 』,岩波書店。 ☆岩木 秀夫 2004,『ゆとり教育から個性浪費社会へ』,ちくま新書。 ☆山田 昌弘 2004,『希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を切り裂く』,筑摩書房。 ☆スティーブン・ピンカー著 2002,山下 篤子訳,『人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か(上~下)』,NHKブックス,2004年。

2003(平成15)年度

※内地研究員として名古屋大学高等教育研究センターに赴任のため、開講せず。

2002(平成14)年度

前期: 学校社会学特講 ―「学校社会学理論研究」―

平成14年度前期には以下の文献を検討した。形式・方法は、共通のテキストに関して毎回報告者を決めてレポートしてもらう演習方式とした。その際、ディスカッションを十分に行い、成員相互の認識を深めあうことを狙った。

  • 昼間(月4): ☆Bernstein, Basil 1996,久冨 善之ほか訳,『<教育>の社会学理論―象徴統制、<教育>の言説、アイデンティティ―』,法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス694)。
  • 夜間(月6): ☆苅谷・濱名・木村・酒井 2000,『教育の社会学 ―<常識>の問い方見直し方―』,有斐閣(有斐閣アルマ)。
後期(月4): 教育社会学調査演習 ―「教育社会学データの検討」―

 平成14年度後期は、講義者の事情により、受講者の了解を得て以下の文献の検討を行った。(夜間に関しては、前期テキストが終了しなかったので、継続して輪読した)。方法は前期と同様である。なお、データを含んだ教育社会学的研究の、内容および分析・解析手法などについて検討を加えていくという、当初の狙いからは、やや離れた点が反省点であった。よって次年度以降は、量的・質的データ解析について言及しあう授業の展開を検討したい。

  • 昼間(月4): ☆橋本・藤井・渡辺・進藤・安原 2001,『近代ヨーロッパの研究④ エリート教育』,ミネルヴァ書房。
  • 夜間(月6): ☆苅谷・濱名・木村・酒井 前掲書。

2001(平成13)年度

後期: 教育社会学調査演習(火5後期) 「教育社会学データの検討」

平成11年度から2年度半にわたり行ってきた自主ゼミの流れを引き継ぐ形で、平成13年度後期には以下の文献を検討した。方法は、章単位ごとに成員に輪番で報告して貰う形をとり、ディスカッションを基に認識を深めあうことを狙った。

  • 苅谷 剛彦 2001,『階層化日本と教育危機―不平等再生産から意欲格差社会へ―』,有信堂。

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