ものづくり教育選修に、ご期待を       東京学芸大学副学長 田中喜美

田中先生 東京学芸大学では、2010年度から、小学校教員養成課程に、「ものづくり教育選修」を新設することを計画し、その準備をしているところです。今まで小学校の教員養成では教科を中心とした選修(国語科教育選修や算数科教育選修など)のみでしたが、「ものづくり教育選修」は教科と教科を効果的につなぐ活動や、教科とその他のコトをつなぐ活動なども得意とする小学校教員の育成コースです。本プロジェクト「小学校教員養成のためのものづくり教育開発」も、その一環です。
 今日、子どもの生活空間において、テレビ、ゲーム、インターネット等のメディアがつくり出す仮想現実が肥大化し、それに伴う子どもたちの発達をめぐる歪みが深刻化しています。「ものづくり教育選修」は、こうした今日の子どもたちの発達の問題状況にも適切に対応できる、小学校教員の養成をめざしています。
 ここでいう「ものづくり教育」とは、活動主義の教育思想に立脚し、子どもたちが、現実の物的世界に他者との関係性をもって積極的に働きかけ、目的にそって対象物を変化させるとともに、そのことを通して、子どもたち自身を変化・発達させる教育活動をいいます。したがって、「ものづくり教育選修」では、こうした教育活動を、子どもたちがわくわくするようなできごととして仕組み、そうした空間を意図的につくりだすことができる教員を養成することになります。
 本プロジェクトは、そのためのカリキュラムを、国内外の類似的な取り組みや、関連する取り組みを調査研究しながら新たな教育を開発することを目的としています。どうぞ、ご期待ください。

 

「ものづくり教育」のできる「人づくり」に取り組みます。

関係図
ものづくり教育とは?

 東京学芸大学ものづくり教育選修での「ものづくり」とは、ものと他者とのつながりに、はたらきかける活動を意味します。物事に取り組む時に、ものづくりの感性を軸に、他者と協力しあって働きかけ、働きかける主体にまで変化をもたらすことのできる力を育て、それを伝えることのできる人づくりをしていきます。

 

 

「ものづくり教育選修」の位置

組織図

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ものづくり教育」で学生に備わるチカラ

備わる力

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ものづくり教育」で子どもたちに与えるチカラ

与えるチカラ