もういくつねると…
2025-12-05 14:00 | by 松岡 |
12月、小学校ではどのような読み聞かせやブックトークをしますか?
クリスマスのお話が多いかもしれませんが、「年越し」についてはいかがでしょう?
小学校の終業式のタイミングを考えると、12月下旬~1月上旬は冬休み中になってしまうので、年越しからお正月にかけての話は私自身なんとなくしそびれてしまうことが多いです。
ついタイミングをはずしてしまいがちな「年越し」についてのブックトーク。ブックトークをするならこんな本はいかが?という本を紹介していきたいと思います。
『くまのこのとしこし』
高橋和枝 講談社 2010年 ISBN 9784061324473
12月、くまのこのおうちでは「らいねん」を迎えるためにお父さんとお母さんが大そうじをしたり、おせち料理を作ったり、お飾りをつけたりと大忙しです。
くまのこにとって「らいねん」がやってくる、というのは特別なお客さまがやってくるようなかんじがしているのでしょうか。新しい年を迎える、という1年の中でも特別な日がお話の中で描かれています。
『じょやのかね』
とうごうなりさ 福音館書店 2017年 ISBN 978-4-8340-8369-9
12月31日、大晦日の夜。日付が変わると新しい年がやってきます。この日は遅くまで起きていてもいいよ、と言われる人もいるかもしれませんね。
この絵本では大晦日の夜、お寺に除夜の鐘をつきに行くお父さんと男の子が描かれています。版画の絵本で白黒の作品なのですが、大晦日のひんやりとした空気や夜中の静かな雰囲気が際立っている感じがします。
『おせち』
内田有美 文・絵/満留邦子 料理/三浦康子 監修 福音館書店
2024年 ISBN 978-4-8340-8813-7
お正月にいただくおせち料理ですが、年末に材料の買い物や料理をして新しい年を迎えます。
この絵本を読むとおせち料理に入っている食べ物にどのような願いが込められているかがわかります。一つ一つの文章が歌のように滑らかで、声に出して読むとリズミカルで心地よいです。
『OSECHI Food for the New Year』
内田有美 文・絵/アーサー・ビナード 英語版テキスト
満留邦子 料理/三浦康子 監修/2025年 ISBN 978-4-8340-8875-5
『おせち』の絵本の英語版が今年出版されました。日本ならではの食材や料理も多いおせちは英語ではどのように紹介されているかも興味深いですね。比べて読んでみるのもおすすめです。
どの本も読み聞かせに向いている本なので、ブックトーク形式でなくても紹介しやすい本です。そしてどの本にも新しい年を迎え、良い年になりますように、という思いが込められているような作品です。
皆さまにとっても来年が良い年になりますように。
(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)