「○○の本棚」をつくろう!

2017-01-16 22:57 | by 村上 |

  1月、2年生が国語の授業で、自分の読書を振り返り、これまで読んだ本や、これから読みたい本も入れて、何らかのテーマで自分の本棚を作り、それにタイトルをつけるという課題に取り組みました。本は、自宅にあるものや、公共図書館、学校図書館で借りてそれぞれ用意したものを写真に撮り、先生がそれをA3用紙にカラー印刷することになりました。
 その後の授業は、自分がつけたタイトルを伏せたまま、グループの友だちが、本棚の名前を予想し、その後、実はどのようなタイトルをつけたかをみんなに説明し、最終的にはその本棚に関する短いエッセイを書くそうです。


 
 そこで図書館としては、何かできないかと考えた末、思い切って作ったのが、右の写真にあるように、1冊の本をバラバラにした冊子の展示です。バラバラにしてしまった本は、新潮文庫の『私の本棚』(新潮社編 2016年)です。これは本を愛する23人の著名人たちの本棚にまつわる名エッセイを集めたものです。それぞれに味わい深いエッセイですが、どれか一編でもいいから読んでほしい…と考えての決断!
巻末の新井素子さんの解説もまた楽しくて、これも加えて24編×2冊分をずらりと並べました。図書館に著作のある人に関しては、一緒に本も並べてみました。本好きの大人からすれば、誰もが良く知る人なのですが、中学生から見ると、すぐにわかるのは、赤川次郎さんや、池上彰さんのようです。南伸坊さんは、一緒に『本人遺産』を並べたら、思わず手にする中学生が続出! ほんの数分で読めるこの冊子、図書委員のS君にさっそ進めたら、「うん、深いな~」とボソっとつぶやいて去っていきました。

 その後、一人最低5編のエッセイを読んだうえで、自分のエッセイを書く…というさらなる課題が出たので、もちろん様々なエッセイもこれから並べる予定ですが、まずはこの冊子、たくさん読まれて、バラバラにしたことを後悔しないことを願っています。
 図書館で写真を撮影したあとは、授業は教室で行われたので1時間だけ見学。同じタイトルの棚ひとつもなく、とても面白かったです。この授業は、いずれデータベースにも掲載していただく予定です。
(附属世田谷中学校 村上恭子)

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