教育課程の特色
本校のカリキュラムの基本構造
学習指導要領では、「必修教科」「総合的な学習の時間」「道徳」「特別活動」の各学習を提示していますが、本校では、「道徳」と「特別活動」は不可分のものと考えて、「生活学習」として統合しています。よって、本校のカリキュラムは「基本学習」「総合学習」「生活学習」の3つの学習から成り立っています。その内容は、以下に示す通りですが、これらの3つの学習は、独立して存在するものではなく、密接に関係し、生徒の一人一人の中で融合され、全体として生徒の力を伸ばしていくものです。本校では、すべての生徒が、単に知識を習得するだけにとどまらず、将来において、タフなリーダーとして活躍していくことを期待しています。そのための学習の3本柱なのです。
基本学習
学習指導要領の中で必修としている各教科の学習のことです。各教科の学習内容の基礎・基本の徹底を図り、その基礎・基本をもとに応用や発展を図る学習です。また、その指導方法も2時間続きの授業を設定して、実験や実習を行いやすくしたり、ペアやグループでの活動を行ったりと、各教科が様々な工夫をしています。知識理解を深めるだけではなく、思考力や判断力を鍛え、表現力やコミュニケーション能力等を伸ばし、創造性を培うことを目指しています。中学生としての基(もと)となる学習部分なので「基本学習」と呼んでいます。
総合学習
学習指導要領の「総合的な学習の時間」のうち、2・3年次の時間の一部を「テーマ研究」という名称にし、学年、クラス、教科の枠を超えて、テーマ別に集まった生徒たちで、自ら設定した課題に取り組む学習を行っています。テーマにより、観察・実験、見学や調査、発表や討論、ものづくりなどの体験的な学習、問題解決的な学習など様々な学習が行われています。
一方、教科の内容をさらに深めるため、習得された知識や技能を活用する場面としての体験学習を行う場面としても「総合的な学習の時間」を生かそうとして、1年生において音楽、美術にそれぞれ7時間(週に0.2時間)、英語に35時間(週に1時間)、2年生では数学に35時間、3年生では国語に35時間を充てています。この時間は特別な名称で呼ばずに、それぞれの教科名になっており、通常の時間割の中に組み込まれています。生徒が授業のどの部分が「総合学習」であるかを意識することはありませんが、それぞれの教科の担当者はこのことを踏まえて指導を行っています。さらに、時間割の枠を超えて、国語や英語のスピーチコンテストや長瀞の地学実習のように、教科行事的なものも、この学習として行われます。
英語では、平成15~19年に1年生のときに6時間という集中プロジェクトを行い、1年次に集中して言語のリソースを与える効果が実証されました。その流れを生かし、国際舞台で活躍できるコミュニケーション能力を育むための基礎的な力をつけることが、本校の生徒に必要であるとして、1時間の枠を充てています。また、音楽と美術に関しては、基礎的な力を活用する場として、芸術発表会に向けての時間に充てています。さらに、数学や国語に関しては、基礎・基本からの応用発展として、本校の生徒に重点的に指導すべきもののための時間として充てています。
生活学習
学習指導要領で定める道徳と特別活動の時間を統合して、本校では生徒の「生きる力」を育む第3の学習と位置付け、「生活学習」と呼んでいます。道徳、学級活動、生徒会活動、学校行事等は、互いに密接な関係を持っており、生徒はそれらの中で多くのことを学んでいます。
たとえば、運動会に向けた準備においては、それぞれの係を選出し、運動会の準備日程にあわせて、クラスや係は準備を進めます。特に、クラスにおいては、体育活動委員を中心に、各競技の練習メニューを決めたり、作戦を立てたりして、クラス全体が自分たちの縦割りの組の優勝に向けて、クラス一団となって取組んでいきます。練習を重ねていくと、疲労から怪我をしたり、練習がうまく進まなかったり、チームとして心が1つにならなかったりと様々な問題が生じてきます。それらの問題を解決するために、話し合いをしたりしますが、各々の運動会に対する思いの違いがあり、時には意見が対立することもあります。そして、それらを克服して、運動会を成功させることで、生徒は大きく成長することができるのです。これらの経験の色々な要素が絡み合い、心身の調和のとれた発達を図り、道徳性、社会性を育むことができるのです。
その他、芸術発表会、林間学校や修学旅行、さらに生活習慣のチェック等の健康に関することや、進路に関する学習等、その内容は多岐にわたり、「社会領域」「健康領域」「体育領域」「芸術領域」「情報領域」「自然領域」の6つの領域を設定しています。