では次に,求めた直線は比例の関係であるといえるかどうかの判定の仕方について,考えていきます。
比例の関係かどうかの判定には,
・ 直線とみなせるか。
・ その直線は,原点を通るとみなせるか。
の,2つの判断基準により決定します。
まず,直線とみなせるかどうかの判定について,考えてみましょう。
計算により求めたbの値は,実測値から推定したものなので,その値が真の値(b)にどのくらい近いのかということは,分かりません。
そこで,bの値を含むと思われる区間を指定することで,bの値の確かさを推定するのです。
bの確かさは,信頼区間を用い,ある範囲に納まるのかどうかで判定します。
この反応速度実験は,99.9%という極めて高い信頼度で,bの値を含む区間を挟みます。(確立 % が高いほど,バーの長さ,範囲が広くなります。)
![]() 図3 |
図3のb1からb4の両側に伸びているバーの範囲が,信頼区間にあたります。このバーの長さを±ξで表します。![]() ξには,次式が与えられています。 ξ=t(φ,α)√(Σei2)/{φ×Σ(Xi− ![]() よってbの確かさは b±ξ =b±t(φ,α)√(Σei2)/{φ×Σ(Xi− ![]() になります。 |
この式の中のt(φ,α) は自由度φ(=測定回数−2)と,有意水準α(100(1-α)%の信頼区間)の値から,
t 分布表で求めたt 値のことです。
Σei2は直線とプロットとの距離の2乗の和が最小の値。
Σ(Xi−)2はプロットのX座標の値から平均値を引いたものの2乗の和です。
bの信頼区間が分かっても,どの位の数値になれば直線といえるのかは、まだ分かりません。
そこで零仮設による検定で判定を行いましょう。