CAAAEファンファーレ
《重なる願い》
本学音楽科の卒業生・田中弦大さんが作曲した、
CAAAEオリジナルファンファーレ。
「CAAAE」の音をモティーフに、芸術の無限(∞)の可能性が
金管8重奏で表現されています。
音楽科の学生による演奏をお楽しみください。
News
【国際連携報告】日本語教育×ウォーキングで挑むベトナムの健康革命プロジェクト「J-Genki」
約1,700人が参加、大学生の歩数が2倍に!?
ホーチミン市師範大学日越友好協会会長 Dr. Cao Le Dung Chiと同大学の専門家である松山直輝氏(東京学芸大学アート・アスレチック教育センター講師)の日越研究者の協働と、同大学 学長の Prof. Dr. Huynh Van Sonの支援により、ベトナムの国際スポーツ開発と日本語教育の分野で注目に値する成果を達成した。
2025年9月21日から11月15日まで、ベトナム人大学生を中心とした約1,700人にウォーキングキャンペーン「J-Genki ウォーキングプロジェクト」を実施。参加した1691人の内、大学生約400名の平均歩数は実施前の4,606歩から8,476歩へと約2倍に増加する成果をあげた。「3,676歩増加」という数値は、日本語教育と健康促進を融合させた新しいアプローチが生んだ画期的な成果となる。
深刻化する歩数不足と”ドア・バイク・ドア”社会の転換点
ベトナム人の歩数不足の背景に対し、松山氏は「ドア・バイク・ドア」のベトナムの移動スタイルとスポーツ文化の影響があると指摘する。「ドア・バイク・ドア」は、自宅のドアから出てすぐバイクに乗り、目的地のドアまでバイクで移動するスタイルであり、ベトナムではこの移動様式が一般化し、歩かない社会を作り出しているという。また、ベトナムでは日本のようなスポーツ部活動の文化はなく、「スポーツは運動が得意な人がするもの」という認識が根強く残っている。このような社会インフラとスポーツ文化の違いが、歩数の少ない生活状況を固定化させてきた可能性が高いと話す。
▶︎ベトナムでは都市部を中心に歩数の少なさによる健康課題が指摘されてきた。国全体の平均歩数は約3,500歩程度であり、日本人の平均歩数である6,000歩を大きく下回わる。さらに衝撃的なデータとして、会社勤めの女性の1日の平均歩数が300歩であったとする事例も報告されている。
J-Genki ウォーキングプロジェクトの始動!
ベトナム人の歩数不足による健康課題と日本語教育の発展を目指し、ホーチミン市師範大学のDr. Cao Le Dung Chiと松山氏が協働して「誰もができるウォーキング」×「日本語学習」を組み合わせた「J-Genki ウォーキングプロジェクト」を同大学日本語学部の大学生とその友人や家族を拡大対象として始まった。
Phase 1: キックオフ講演
▶︎松山氏が「ウォーキング」×「日本文化」×「アニメ」をテーマにした講演を日本語学部の大学生に実施。運動を継続するには仲間同士の支え合いが不可欠であることを指摘し、人と人とのつながりに根差したウォーキングチャレンジへの参加を呼びかけた。
Phase 2: グループチャレンジ(9/21-11/15)
・大学生約30名1組の複数チームがJ-Genkiプロジェクトに参加
・各グループは「期間内の合計歩数」と「6,000歩/日の達成日数」に挑戦
、大学生達が家族や友人にウォーキングを呼びかけ、活動の輪が1691人に拡大
・スマートフォンアプリで歩数を記録・共有
・日本語で活動動画を制作し、Facebookで発信した
Phase 3: ASIA J-Connect Fiesta 2025 成果報告&決勝戦
▶︎ASIA J-Connect Fiestaの会場の様子。当日はJ-Genkiの成果発表&決勝戦だけでなく、東南アジア地域の国際日本語スピーチコンテストが実施され、数百人の観衆が発表者の言語活動と身体活動の挑戦を讃えた。
参加者の声
▶︎ASIA J-Connect FiestaやJ-Genkiで上位となった学生やプロジェクト支援者達。参加者の声としては、「J-Genkiを通じて、家族や友達と一緒に歩きながら話すことが日常になった。あまり接点がなかった友達とも、運動を通じて仲良くなれて嬉しい」、「実施前は、歩くことを続けるのは大変だと思っていたけど、みんなで一緒に取り組むことで続けられた」「自分の性格が明るくなったような気がする。以前は家の中で過ごすことが多かったけど、歩くだけで気持ちが明るくなる。自分が変わったと感じる」等、ポジティブな声が多く聞かれた。松山直輝氏からのメッセージ
今回は、ウォーキングという誰でも参加可能な運動と「運動を一緒にする仲間を作る」×「運動を通じた日本語教育を実践する」をテーマに、ホーチミン市師範大学のDr. Cao Le Dung Chiと企画を練りました。このプロジェクトを通じて、多くの学生がウォーキングを続け、日本語を学習し、そして取り組みを通じて仲間との絆を深めることができたように思えます。単純に健康を手に入れるということではなく、人と人のつながりを作れたことがとても嬉しく思います。今後もDr. Cao Le Dung Chiと「運動×日本語教育」のプロジェクトを推進し、日越による協働プロジェクトを推進していきたく思います。
今後の展開―ベトナム全土への拡大へ
来年度、本活動をベトナム国内の他大学にも展開し、より大規模なウォーキングプロジェクトを実施していくという。「J-Genki ウォーキングプロジェクト」が示した成果は、言語教育・健康科学・コミュニティ形成を統合した新しい国際教育モデルとして、ベトナム全土、さらにはアジア地域への波及が期待され、今後も注目の活動となる。






