人権を尊重するために
ガイドライン制定の趣旨
東京学芸大学(以下「本学」という。)は,すべての学生と教職員が互いに人権を尊重し合い,何事にも公正を期し,心身ともに安全で快適なキャンパスライフを送ることができる環境づくりを目指します。
このガイドラインは,本学のそうした環境づくりのために定めたものです。
大学の責任と構成員の義務
本学は,あらゆる人権侵害に対して厳しい態度で臨みます。また,さまざまな人権侵害を生むおそれのある環境を改善して,快適な学習・研究・職場環境を保つように努力します。そのために,本学では,学内にキャンパスライフ委員会(以下「委員会」という。)を設置しています。
本学のすべての学生と教職員は,本学において学び,研究し,働くための自由と権利を妨げられることがあってはなりません。また,本学のすべての学生と教職員は,人権侵害を起こさず,人権侵害の防止に努める義務を負っています。
人権侵害とは
人権の尊重はだれもが当然とする理念です。しかし,現代社会では人権侵害行為が後を絶ちません。
人権には,安全に生活できる権利はもちろん,教育を受ける権利,学問・表現・研究の自由も含まれます。したがって,いじめ,体罰,サークルでのしごき,飲酒の強要,性差別,出生の事情や家族の職業に関する差別,障害のある人に対する差別,民族差別,受けられるべき指導を教員から受けられないこと,容貌や容姿に関する差別,セクシュアル・ハラスメント,コンピュータ・ネットワーク上でのいやがらせ等はいずれも人権侵害にあたります。
さらに,いくら自分にそのつもりがなかったとしても,結果として,受け止める相手に不快感や恐怖感を与えたり,相手の心情を傷つけたとしたらそれも明らかな人権侵害行為です。
① 調査委員会での調査
調査委員会は,委員会の委員や委員会が依頼した教職員で構成されます。調査委員会は,相談者から直接話を聞いて相談の詳細な内容を確かめます。また,調査委員会は相談者の指摘した当事者(以下「当事者」という。)に会い,相談者の相談内容に関して,事実確認をし,当事者の主張を充分に聞きます。相談者と当事者や関係者が同席することはありません。調査委員会はそれぞれの主張を公平かつ慎重に検討して「調査報告書」にまとめ,委員会に提出します。
② 委員会による措置
委員会は「調査報告書」に基づき,必要に応じて,以下のような措置を講じます。
以下に記した例はその措置のすべてではなく,相談内容によっては他の措置もとられます。
a.当事者への注意
b.当事者の監督責任者への提言
c.重大な案件に関しての学長への提言
d.指導教員の変更等の措置
なお,調査・審議のすべての段階・手続きにおいて,相談者及び被害を受けた人は,意思を尊重され,自己決定を行う権利,適切な情報提供と説明及び経過の報告を受ける権利を有します。
相談者に対する不利益な扱いの排除
人権侵害について大学に相談したことを理由に,当事者が相談者に対して人権侵害をしたり,不利益扱いをするようなことがあってはなりません。また,人権侵害の相談や申し立てをしたことに対して,当事者が報復することがあってはなりません。もし,不利益扱いや報復行為がなされたことがわかった場合には,大学として直ちに必要な措置をとります。また,当事者以外の者が,相談者に何らかの差別的・不利益的な扱いや,いやがらせなどをしたときも同様に対処します。
さらに,人権侵害の相談や事情聴取に際して,虚偽の申し立てや証言をした者に対しても必要な措置をとります。