片対数方眼紙の改良が実験授業にもたらしたこと


荒川悦雄, 鴨川仁, 大学の物理教育, 13 (2), pp. 91-94. (2007), 対象:大

自然対数仕様に改良された最新の片対数方眼紙を理科系学部学生向けの物理学実験授業に導入したことを、使用例を示して説明した。単純な手順によって、指数関数の定量的な解析ができるため、数学の学習歴に不安のあった学生らにとっては、履修上の励ましとなることがわかった。進んだ学生らにとっては、どのように改良が施されたのかを証明したくなる気持ちがわくこともわかった。片対数方眼紙の仕組みに関する数学的な理解の作業と学生実験授業で行いたい物理学的な現象の記述という作業とを分離することができたうえ、これらの作業の順序を交換することもできるようになった。

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磁力による作用反作用及び運動量保存の実験


西慶悟, 新田英雄, 物理教育, 55 (2), pp. 135-137. (2007), 対象:中〜大

作用反作用の法則は,中学校レベルの学習内容であるにもかかわらず,高校生はおろか大学生,さらには教育者側にすら理解されていない場合もあることで有名な物理法則である。教育上の観点からすると,作用反作用の法則は,生徒を「わかった」という気にさせにくい物理概念の典型例といえるだろう。 作用反作用の法則に関する説明の多くは,机の上におかれた本のように,接触する2物体間にはたらく力(本論では,このような力を「接触力」と呼ぶことにする)に基づいている。そのため,重力のように離れてはたらく力(本論では,このような力を「遠隔力」と呼ぶことにする)に対する作用反作用の法則の理解が難しくなっている。「机に置かれた本にはたらく重力の反作用は,机が本に加える垂直抗力だ」とする典型的な誤りは,「遠隔力」に対する理解不足も一因と考えられる。一方,運動量保存の法則に対しても,多くの説明が, ボール同士の衝突といった「接触力」を及ぼし合う例を用いている。そのため,万有引力やクーロン力のような「遠隔力」で相互作用している物体間には,運動量保存則が成立しないと誤解している生徒もいる。以上のような問題を解決するには,「遠隔力」で相互作用する物体の運動を実験し,その中で作用反作用の法則と運動量保存則が成り立っていることを生徒に示すのが理想的である。しかしながら,筆者らの知る限り,衝突時の力積を求める実験や,バネばかり,ゴムひもを用いた実験はあるものの,「遠隔力」による実験例はない。そこで筆者らは,ネオジム磁石の磁力の強さに着目し,その引力によって力学台車を運動させる実験を開発した。その結果を解析することにより,作用反作用の法則と運動量保存の法則が運動中も成立していることが確かめられることを示した。

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