今月の学校図書館


2013/08/24

東京純心女子中学校見学記

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上

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東京純心女子中学校の巻

   当サイトを運営する東京学芸大学学校図書館運営委員会では、2013年7月26日、東京純心女子中学校図書館を見学させていただくことができました。当日は、岩崎淳子校長先生からもご挨拶をいただき、その後専任司書教諭の遊佐幸枝さんにお話を伺った後、館内を見学しました。そこで「今月の学校図書館」には、この日の見学会で撮影させていただいた写真をもとに構成してみました。



純心会議風景    実は、東京純心女子中学校に見学の依頼をお願いしたところ、快諾はいただけたのですが、同時に「学校図書館として、あたりまえのことをしているだけの純心でいいのでしょうか?」と遊佐さんから聞かれました。「もちろんです。遊佐さんの考える当たり前がまだまだできていないのが、学校図書館の現状です。ぜひ見学とお話をお願いします!」と答えました。

 当日は、まず東京純心女子中学校図書館開設より関わってきた遊佐さんに、これまでの経緯を伺いました。詳しくは、遊佐さんの著書『学校図書館発 育てます!調べる力・考える力―中学校の実践から 』(少年写真新聞社)をぜひお読みください。

 そして話の中心は、「純心スタイル」とも呼ばれる独特の学びに移りました。これは、公立小学校で、本や資料を使っての調べる活動をしてこなかった生徒に、確かな課題を設定し、調査して考え、自分の意見を述べる調べ学習ができるように育てなおすという営みを図書館がハブとなって提案し、各教科で行っているというものです。

  社会科主任の純心社会科の先生中島先生にもおいでいただき、話を伺いました。「社会科においては、資料を調べて自分の意見を組み立て発表するといった一連の活動は必須です。しかし、社会科教員がそのような探究的な学びの経験があるとは限りません。その場合も、図書館に行けば司書教諭のアドバイスがもらえ、一緒に授業に取り組めるというのはとてもありがたいです。」
    図書館の生徒への具体的な支援として、課題設定相談、情報活用のための学び方指導(利用教育)、生徒が行うべき課題の見本をつくって、探索のイメージを持たせる、資料案内・紹介、課題解決プロセス中の繰り返しの個別相談・対話等があります。もちろん教科教員と相談しながら行われています。

   教員の側の生徒への関わりも、実に丁寧でした。特に課題設定の訓練として、生徒が設定した課題からいくつもの疑問(問い)を作らせ、その疑問に生徒自らが調べて答えていく過程を全てノートに書かせて提出させています。何を使って調べたかも記入させています。先生はそのノートを見て、朱を入れ返すことを何度か繰り返し、テーマ設定の大切さを実感させています。
   司書教諭の存在は、それまで各教科がバラバラに行っていた学校図書館を活用した学びを系統だて、重複を避け、スケジュール調整まで行える意味でも、とても重要です。

   このような活動を支えている環境としての学校図書館を整えるのも、専任司書教諭である遊佐さんの仕事です。見学者を圧倒したのが、館内の随所にしかけられたメッセージ性の高い掲示・展示です。

   そこで、当日撮影させていただいた写真を一部掲載することで、東京純心女子中学校の魅力の一端をご紹介できたらと思います。


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