神戸市は平成26年度に学校司書の配置事業が始まり、歌敷山中学校はその第一号の配置校として、学校全体で学校図書館の活用に取り組んでいます。学校司書の菅野さんは、昨年の文科省事業報告会に参加されて私たちの取組に共感し、実践事例を提供いただけたご縁で、今回この記事を執筆してくださいました。
1、概要
神戸市立歌敷山中学校は、神戸市の西部・垂水区にあり、平成29年度に創立70周年を迎えました。生徒数740人、クラス数20クラス(特別支援クラスを含む)の大規模校です。
「波 静かなる 瀬戸の海」と校歌の歌詞にあるように、校舎の窓からは、対岸の淡路島と明石海峡大橋の下を行き交う船を眺めることができます。敷地内の42本の桜の花が満開になると、春の陽光にきらめく青い海と桜の花のコントラストに、吸い込まれてしまいそうな景色が広がります。このように恵まれた環境の中、生徒は学業に、部活動に日々励んでいます。(写真右上は、本校3号館からの眺め)
図書館は、職員室などがある1号館の2階で、本校で最も古い建物の中にあります。記録によれば、昭和32年に完成とあり、また図書館内の書架の3分の1は昭和28年に納入されたものです。残りの3分の1は、学校司書が配置になって新しい書架になりましたが、古いものと新しいものが混在している状況です。隣は音楽教室、階上は講堂兼体育館のため、時間によっては、とても賑やかなことがあります。
本校では、学年ごとの号館に生徒の教室があるため、図書館へは、階段を降り、渡り廊下を通って、また階段を登らなければなりません。そのため、業間の休み時間は、特別教室への移動等があり、開館をしていません。昼休みと放課後のみという限られた開館ですが、友だちと談笑しながら借りる本を探したり、目当ての本めがけて来館し、夢中になって読んだりしています。最近では、調べ物をするために来館する生徒も見受けられるようになりました。(写真左は、図書館入口の新着本コーナー)