今月の学校図書館
今月は、卒業式を間近に控えた東京学芸大学附属小金井中学校図書館の様子をご紹介します。
本校ではすべての学年に毎年修学旅行があり、その事前事後学習にかなりの時間を費やします。1年生は進級後の5月に行く秩父長瀞修学旅行のために、1月から調べ学習を始めました。個人で、「地層・岩石・化石」など10以上の項目について調べるほか、グループごとに「秩父の自然」「小金井周辺の地形・遺跡」などそれぞれのテーマを調べてまとめます。図書館では、他の附属校や市の図書館からお借りし、300冊近い資料を用意しました。小学校から高校までの多彩な資料を、内容によってかごに分けて配置し、ブックリストも配りました。総合の時間や休み時間など今年度もよく利用されています。中にはどうしても借りたいという2年生の姿も。1年生が一通り借りたあと、許可しました。
また、1年生には各クラス1時間ずつ司書教諭が図書館での授業を行いました。(事例A0178「つなげよう、3冊の本」と、ほぼ同じ内容です。)
各自1枚ずつテーマの書いてあるカードを選び、異なった分類から3冊の本を探すというものです。以前2年生のクラスで実施したときには、「とにかく3冊完成させたい」という意見が多く、授業時間中をすべて探索時間にしましたが、今回はまだ3冊すべてが探せていなくても決めた時間で終了し、他の人の選んだものを見るという時間を設けました。ワークシートと本の並んだ机を見て回り、その中で、意外な面白いつながりだなと思う作品に一人1枚シールを貼るという作業をしました。感想欄には、「みんなの考えを見ることができ、参考になった」「私の思いつかなかったことへつなげている人も多く、発想がすごいと思った」「視野を広げるという意味で、とてもよい時間だった」「複数の視点から調べると、1つのものをより深く知ることができるということがわかった。また、クラスメートの視点も、自分の視野をさらに広げるものになるとわかった」などの意見が書かれました。
また、この時間に春休みの特別貸し出しも開始したので、常連ではない生徒達も多く借りてゆきました。
図書委員会は、今年度、「キャンペーン」「廊下掲示」「内掲示」の3班に分かれて活動しました。
内掲示班は2年生を中心にバレンタインに向けてお菓子コーナーを作りましたが、試験後やホワイトデーに手作りする人のために、今も展示しています。昨年度、しっかりした掲示物を作った外掲示は、今年度はこの時期さっと貼り替えるだけ。4月には、「ご卒業」を「ご入学」にかえて、新入生を迎えます。キャンペーン班は新入生のための栞作りがまさに追い込みに入ったところ。他の班の協力も得て何とか間に合わせる予定です。
毎年何かしらのお土産を残してくれる卒業生には、今年度は入り口の看板を制作してもらいました。小さくちぎった画用紙を貼ってグラデーションで文字を書くという地道な作業に「シベリアの強制労働みたい」という声も。それでも、この忙しい時期に短時間で作ったにしては良い出来ではないかと思っています。入り口付近がぱっと明るくなりました。
(東京学芸大学附属小金井中学校 学校司書 井谷 由紀)
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