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2013/05/06

レオ・レオニさんの本はどこ?

Tweet ThisSend to Facebook | by 中山(主担)
 3学期の休み時間に、次々と子どもたちが
「レオ・レオニさんの本はどこ?」と探して、借りていきました。(別置してあったので、通常ルールでは探せなかったのです。)
次の図書の時間にどうして?と聞いたら、
学級でレオ・レオニさんについて、みんなで研究しているとのこと。
 じゃあ、クラス貸出しにしてあげるねと言って、ミニブックトラックごと貸出しをしました。
 必要な本を必要な時に自分たちで借りにやってきた2年生。
1年2年と毎週やってきた子たちだからこそ、先生に借りてらっしゃいともいわれないで、自分たちから図書館に借りに来てくれたことが
利用が習慣づいている証しと、大変うれしく思いました。
 
 子どもたちが積極的に次々と借りに来てくれたというその授業は、どんな授業だったのか、担任の大久保教諭に教室での様子を書いていただきました。(中山)


小学2年国語「アレクサンダとぜんまいねずみ」 (教育出版)

                                  元 東京学芸大学附属小金井小学校教諭  大久保 綾夏

  2年間一緒に生活してきた子どもたちとの最後の国語教材。自分たちだけで話し合って、どれだけ課題を解決していくかをやってみたくて、あえて担任のがっちりした単元計画を作成せずにやってみました。ただ、以下の3点については、毎時同じように行っていきました。

 

①教科書の指導書に書かれているように、場面ごとに読む。

②私が、子どもが行間にメモができるように、隙間を作った全文プリントを用意し、気になったことば・せりふ・登場人物のつぶやきを、その行間に子どもたちはどんどんメモしていく。

③どんなメモをしたのかを発表し、子どもたちの考えを私が板書。その板書をもとに、子どもたちは議論していく。


写真は、第1場面についてです。アレクサンダのつぶやきを、子どもたちはどんどん創造していきました。(黄色の文字)。

「1つ2つのパンくずだけをもらうだけなのに、人間に見つかると大変。」「アレクサンダは、いのちがけで毎日を過ごしているんだよ!」と、まるでアレクサンダのように、アレクサンダを知っているかのように、必死の形相で話し合っていました。

 

 

 

読みを進めているうちに、ある女の子が、レオ・レオニの作風について気になり始めました。

「あのさ、レオ・レオニさんって、友情モノを書くのが好きなんじゃないの?」

「なんで?」

「だって、登場人物は全く違うけど、『スイミー』に話の内容が似ているよ。」

ちょうどそのとき、クラスの男の子が、家から「レオ・レオニさんの絵本だよ。」と持ってきた『6わのからす』があったので、それをクラスで読み聞かせをしました。

「一度、仲間割れとか、そういう悲しい話になるんだけど、最後はみんなで協力することが多いよね。」

「他の本も、そうなんじゃないのかな?」

いつもは外遊びをする男の子たちが、図書館へ集結。5~6人で群がって読んでいたようで、絵本をビリと破るハプニングもありましたっけ。

 

みんなが読めるといいなあということで、クラス貸し出しを中山先生お願いしました。何冊か比べて読めるようにと、2時間ほど、レオ・レオニの絵本を読む時間を取りました。

「やっぱ、似てるよ。」

「っていうか、レオ・レオニさんの絵本は、谷川俊太郎さんが訳しているよ。」

「他の人が訳した作品もあってけど、ちょっと違う感じがする。」

「谷川さんが訳した本は、似たようなことばが出てくるね。」

なんでレオ・レオニさんは、谷川さんに訳を頼んだのかな?」

「月が出てくることが多いんだよ、レオ・レオニさんの作品は。」

「他にも、レオ・レオニさん以外でも『月』が出ている本があるよ。」

「ボク、明日家から持ってくるよ。」

「わたしも~。」

 

その次の時間は、「月」が出てくる本の紹介となりました。

・かぐや姫

・ねえパパ、あのお月様とって

などなど。

 

 はじめは、アレクサンダとウイリーの気持ちを想像していくだけだったのに、ここまで自分たちで広げていった子どもたちに、2年間の成長を感じました。また、「なぜここまで、アレクサンダのために熱く語ることができるんだ?」「レオ・レオニさんの本を、ここまでじっくり読む人もいないだろう。」と、逆に驚かされた単元でした。

一人の作者の作品を、シリーズで読み進めていく楽しさも実感したようなので、「先生も、そうやって一人の作者の本を読むのが好きなのよ。東野圭吾さんとかね。」と話しました。

                      ( 元 東京学芸大学附属小金井小学校教諭  大久保 綾夏)




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