この線はとても大きな円の一部です

2013-01-23 08:35 | by 村上 |

美術の講師の先生からのレファレンスが。
 
「オノ・ヨーコの作品で、確か直接が一本ひいてあって、確かそこに『この線は大きな円の一部である』と言葉がそえられている作品があるのですが、それが載っている本が出ているどうかわかりますか?もしあるならば見てみたいのですが。」と尋ねられました。
 
1年生が美術制作で、ニンニクのオブジェを作ったのですが、そのニンニクにタイトルをつけさせるにあたり、発想の豊かさの一例として、紹介したいと考えたそうです。
 
       壁に引いた一本の線に対して、まさに見事な想像力・・・。
 
このような質問に即答は無理。そこでちょっと時間をいただき、「調べて可能なら取り寄せます」とお返事をしました。
 
さっそく資料探索行動に。
まずは、インターネットで、「オノ・ヨーコ  この線は大きな円の一部である」とキーワードを入れて検索をしてみました。
 
すぐにいくつかの記事がひっかかり、とりあえずこの作品は、現代美術館で開催された『YES オノヨーコ展』 で飾られていたことが判明。その作品が掲載されているのは、どうやらその時のカタログだと判明。もともとは「青い部屋のイヴェント」というインスタレーションの一つらしい。
 
カタログ類だと、地元の公共図書館では所蔵はしていない。現代美術館ではもちろん所蔵はしているが、こちらは館外貸出サービスは行っていない。そこで大学なら持っているかもしれないと、横断検索を試みました。
 
使ったのはCiNii   http://ci.nii.ac.jp/books/
 
  (サイニィ=論文や図書・雑誌などの学術情報で検索できるデータベース・サービスです。)
 
 いくつかの大学図書館が蔵書としてもっていましたが、館外貸出を行ってないところもあります。で、貸出可能な大阪大学 附属図書館 総合図書館に電話を入れてみました。正直、大学図書館じゃないと貸してもらえないのだろうか、大学図書館を通さないとダメなのかなぁ・・・とちょっと不安でしたが、そんなことはありませんでした。たとえ、小さくても中学校図書館も図書館として認めてもらえるのは嬉しい気分!
 
 所定の用紙に記入してファックスを送ると、すぐに本が着払いで届きました。さっそく美術の先生に手渡ました。後日先生から返却された本を、宅急便で送り返し、無事レファレンス終了。
 
  図書館に寄せられるレファレンスの多くは、司書も知らないことがよくありますが、レファレンスを通して、実はいろいろ知ることができるのは司書の役得!だと思っています。それにしても今の中学生、ビートルズは知っていても、オノ・ヨーコはどの程度知られているのだろうと、カウンターに来る生徒に尋ねてみました。すると、名前は聞いたことがあるようで、ジョン・レノンの妻というのまでは知らない生徒も。教えてあげたらビックリ!していたのでこちらもビックリ。『今あななたに知ってもらいたいこと』オノ・ヨーコ著 幻冬舎を入れることにしました。
 
     東京学芸大学附属世田谷中学校 村上恭子
 
      



  
追記:  国立国会図書館 レファレンス協同データベース 事例 日常レファ 20130123 として転載しました。2014年2月16日 
 

次の記事 前の記事 [ 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 ]