図書館にお寿司?!

2013-04-20 09:30 | by 村上 |

 1生の美術の先生から、3学期に造形の課題を行うので、何をつくるか参考にするのに本をみせてください・・・と言われたのは2学期半ばのこと。その後諸々の調整があり、「お寿司に決まりました!」と報告を受けました。
 
  それならと、先生に貸し出したのが、『食品サンプルの作りかた、教えます。』(今井規雄/新星出版社)という本。(1年生はロウで作るわけではなく、素材は紙粘土ですが。)課題は、かならずマグロの握り寿司をひとつ、もうひとつは自分の好きなネタを選んでつくらせるとのこと。「冬休み中に、自分で資料は揃えるように言いましたが、特に借りた本をそのまま持ってくるのは、本が汚れるからダメと伝えました。」とのこと。
 
 
 
 
  図書館では、そのことを伝えるプリントと一緒に、使えそうなお寿司の本を並べてミニコーナーを作りました。終業式最終日までには、使えそうな本は借りられていきました。冬休み中、きっと家族でお寿司食べに行った家庭が多かったにちがいありません。年末自宅に届いた近所のお寿司屋さんのカレンダーが、授業に使えそうだったので3学期初めに届けるととても喜ばれました。
  学期末、見せてもらったお寿司は、なかなかの出来!「先生、それ飾りませんか?」と聞いてみました。「飾りたいんですけど、作品そのものを飾ると無くなったり壊れたりすると、返せなくなるし…」と悩ましげな返事が。そこで、折衷案として、よくできた作品を選んで、直接触れないように先生が市販の寿司桶に固定して、透明な蓋をして、図書館に飾ることにしました。一緒に並べたのは、絵本『魚市場』(沢田重隆作 評論社 1985)。古い絵本ですが、魚市場の活気が伝わる素敵な一冊です。
 
 
 
  春休み中、図書館を訪れた人は、本物のお寿司があると勘違いするぐらいのクオリティです。新学期が始まり、入学してきた新入生に、3学期にはこういう作品をつくるんだよ・・・と伝えました。2,3年生や先生がたにも、見てもらう機会があってとても良かったです。このときは、一緒に、2年生が作ったコラージュ作品も、クラス別にファイルに入れて展示しました。友達の作品をじっくり見る機会って、実はあまりなかったりします。図書館は、生徒の作品を飾る場所としても使えます。その作品から会話が生まれたり、友達の意外な一面を知ったり、作品と一緒に関連の本を並べることができます。ちなみに、このお寿司、マグネットになっています。持ち帰った作品はお家の冷蔵庫のドアに飾られるのかもしれませんね。
 
(東京学芸大学附属世田谷中学校 村上恭子)

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