知っていますか?和本バンク
2023-02-13 08:30 | by 村上 |
本物の和本を実際に手に取って授業で使ってみたいと思いませんか?
そんなこと一体どうやって、と思われるかもしれませんが、同志社大学古典教材開発研究センターの和本バンクを利用するとそれができてしまうのです。古典教材開発研究センターは、子どもたちの古典への興味関心を喚起できるくずし字や古典籍を用いた新しい古典教材の開発と実践を目的として活動されています。そして和本バンクは,授業で和本を利用したい小学校・中学校・高等学校・高等専門学校の教員へ無料で貸し出していただけるものです。
和本バンク
和本バンク
『竹取物語』『平家物語』など教科書に載っている古典文学から、漫画の元祖とも呼ばれる草双紙、江戸の古地図、明治の教科書など、いろいろな明治時代以前の和本(日本の伝統的な装訂で作られた書物)が100冊以上あります。しかもガラスケース越しではなく、実際に素手で触って自分でめくってみたり、においや手触り、重さを感じたりすることができるのです(触る前には全員手をしっかり洗います)。
利用申し込みをすると、和本のリストを送っていただけます。書影もついているので、詳しくわからなくても大丈夫です。またお借りすることになった和本については簡単な解説も添えてくださいます。
和本バンクは、実際に和本を手に取ることで一人でも多くの子どもに和本を身近に感じてもらい、古典という過去の遺産をリアルに受け止める体験をしてもらうことを目的としているそうです。現在、教材データバンクを構築中で、この春にはモジュール教材集としても利用可能な書籍(オープンアクセス予定)が刊行されます。
例えば『平家物語』を学習しているときに、実際に400年ほど前に作られた『平家物語』がそこにあって、しかも実際に手に取れたら、それはとっても素敵な瞬間ではないでしょうか。
私も今回初めて和本バンクから和本をお借りしました。資料を集めているときに、ジャパンサーチや新日本古典籍総合データーベースなどで検索もしたのですが、やっぱり実物を触ることに勝るものはない!と思い、1時間の小単元でしたが、お願いした次第です。対象が小学生なので、とにかく小学校6年生が興味をもちそうな資料ということで11点依頼しました。『竹取物語』や百人一首などはわかりやすく子ども達の興味を惹いていましたが、打ち首や切腹の絵が描かれていた『古戦場誉組討(こせんじょうほまれのくみうち)』も意外なところで人気でした。また江戸の地図は読める地名がたくさんあったこともあり、喜んでみていました。
この授業支援についてはまもなく授業実践事例(A0417)もご覧ください。
(横浜市立あざみ野第一小学校司書 近江弥穂子)