「Library of the Year 2023」受賞機関決定

2023-10-06 11:58 | by 中村(主担) |

 8月末、「Library of the Year 2023」の受賞機関が発表され、東京学芸大学附属図書館とExplayground推進機構Moebius Open Library(MOL)の活動が「優秀賞」、本学附属世田谷中も参加している東京・学校図書館スタンプラリーが「ライブラリアンシップ賞」を受賞しました。
 「Library of the Year」は、これからの図書館の在り方を示唆するような先進的な活動をおこなっている機関に対して、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が毎年授与している賞で、18回目となる今年はライブラリアンシップ賞に2機関・優秀賞に4機関・特別賞に1機関の計7機関が選出されました。
 
 受賞の理由は以下の通りです。(IRIホームページより抜粋。すべての受賞機関と受賞理由の詳細はこちらを参照してください)

◆東京学芸大学附属図書館とExplayground推進機構MOL
 【デジタル社会の教育を支える「知の循環」の再構築の追求】
  Explayground推進機構のラボであるMOLは「知の循環」の再構築という図書館の使命を掲げた活動であり、図書館が有するひと・もの・ことを活かしながら、教育大学らしく学びを深化させている。コロナ禍に始まったデジタル書架ギャラリーはその象徴だろう。デジタルアーカイブを活用した「教材化」ワークショップは、デジタルアーカイブを使い込むことで、既卒の教育関係者への理想的なリスキリングになっている。

◆東京・学校図書館スタンプラリー
 【小さな一歩から大きな飛躍を遂げた学校図書館の10年間の軌跡】
  世間に注目されにくい学校図書館を、より多くの人に知ってもらう活動であり、その理解を深める役割を果たしている。学校図書館職員の専任化を目途として、2012年に東京都内13校の参加からスタートした。公立・私立を問わず、参加を希望する学校が気軽に参加できる仕組みにより、孤立しがちな学校図書館間の連携を深め、着実に参加校を増やすとともに、校内の協力体制や図書館広報にもつながった。各校工夫を凝らした取り組みをはじめ、実行委員会によるSNSやウェブサイトを使った広報戦略、おすすめ図書リストの書籍化や作家を招いてのイベントなど、学校図書館を知ってもらうための果敢かつ継続的な取り組みは高く評価できる。
 

 今回、それぞれの受賞機関で活動を続けていらっしゃる関係者の方々に、受賞のコメントをいただきましたのでご紹介します。

◆東京学芸大学附属図書館とExplayground推進機構MOL
  高橋菜奈子氏 (東京学芸大学 総務部 学術情報課長 (併) 情報基盤課長)

 
 私たちのMoebius Open Library(メビウス・オープン・ライブラリー 通称:MOL)の活動は「図書館と知の未来」を目指して2019年9月に始まりました。民間企業Mistletoe Japanの力を借り、テクノロジーによる変化を促しながら、図書館の本質としての「知の循環」の再構築を行うことをコンセプトとして掲げています。この4年間、東京学芸大学附属図書館の若手・中堅・シニアの職員が一体となって、遊びながらMOLの活動に取り組むうちに、本務の図書館業務でも、変化を恐れず、サービスを改善するアイデアが次々に生まれました。学校図書館や図書館外の方々とのコラボレーションも増えています。結果として、Library of the Year 2023の優秀賞をいただけたことを大変うれしく思っております。

◆東京・学校図書館スタンプラリー
  杉山和芳氏 (東京・学校図書館スタンプラリー実行委員長) 
 この度、「東京・学校図書館スタンプラリー」はLibrary of the Year 2023ライブラリアンシップ賞を受賞しました。2012年に13校で始まったスタンプラリーは、多くの方々に支えられ、第8回までに延べ7426名が参加したイベントに成長しました。新型コロナ感染症の拡大により公開の中止を余儀なくされた時もありましたが、2023年夏には満を持して学校図書館の公開を再開することができました。今回の受賞はこれまでの10年の取り組みを評価してくださったものであり、関係者一同、誇らしい気持ちでいっぱいです。この受賞をきっかけに、学校図書館を取り巻く環境がより良くなることを願っています。



 なお、それぞれが受賞した活動の詳細については東京学芸大学東京・学校図書館スタンプラリー公式サイトに掲載されています。ぜひご覧ください。

 (文責:東京学芸大学附属竹早中学校 司書 中村誠子)

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