
Ⓒ HATOプロジェクト All Rights Reserved.
大学間連携による教員養成の高度化支援システムの構築
教員養成開発連携機構(HATOプロジェクト)研修・交流支援部門では、教員養成大学・学部ならびに国公私立大学の教職課程に勤務する大学教職員を対象とした「教員養成ならではの大学教職員PD講座(全8講座) 」を開発しました。
対面式の講座は随時実施しておりますが、受講者の皆様の利便性向上のために、8つの講座の映像・スライド(教材資料)等が一体となった「HATO-PDパッケージ」をWeb上で公開しましたので、教員養成に携わる教職員の皆様の職能開発にお役立ていただきたく、是非、ご利用いただければ幸甚です。
「HATO-PDパッケージ」は能力開発のための映像コンテンツとそのテキスト教材にあたるスライド、受講の効果を確認する確認テスト、成果の伸びを視覚的に示すセルフチェックシートのパッケージとして提供されています。興味をもった映像だけ視聴することも可能です。本格的に力量を伸ばしたい方は視聴と確認テストを受けることで、受講証明や修了証を得ることができます。
※教員養成ならではの教職員PD(Professional Development)
「教員志望の学生の教育と学生支援を中心に置きながら、教師教育(教員養成教育と現職教員研修)と教育支援者等の専門性向上に携わる、教職協働による大学教職員(附属学校教員を含む)の職能開発、教職員の専門職化を目指した自律的・内発的な活動」と定義され、教職課程に携わる教職員の必要な力を向上させるための研修です。
●教員養成系大学・学部、教職課程の役員・長になったが、これから自分の大学・学部、教職課程をどうしていこうか
●教員養成系大学・学部または教職課程に就職することが決まったけれど、もともと自分は教員養成の大学で学んだわけではないので心配 ●教員養成をめぐる最新の政策動向を知りたい ●教員をめざす学生ってどのような特徴があるのだろう
●教員養成系大学・学部、教職課程ではどのような点に大学教員・職員は重点を置いて教育をおこなっているのだろう
●教職大学院の担当に決まったが、学校現場が長くて大学側のオーダーがよくわからない
●FD委員会(またはSD委員会)の担当になったけど、どんな研修を企画したらよいのかわからない
教員養成系大学・学部ならびに国公私立大学の教職課程に勤務する大学教職員は、その目的とする人材養成のため、より専門的な力量が必要と考え、私たちは国立教員養成系大学・学部、ならびに教職課程を有する公・私立大学へのFD・SDに関するアンケート調査をふまえ、教員養成機関に勤務する教職員に固有かつ必須に求められる8つの力を抽出し、それぞれ4つの下位項目を設定し、合計32の力量に構造化しました。
①国の教育政策・中教審の答申等に関する理解
②課程認定、教育職員免許法に関する理解
③教員養成の歴史、国内外の教員養成をめぐる動向への理解
④学習/研究、教育の主体者としての学生(教授・学習理論)に関する理解
①教育委員会等教育関係機関の組織・制度、連携への理解
②附属学校の特色・役割と連携・協働についての理解
③学校現場と児童・生徒の実際に対する理解
④教育改善、授業改善についての方法と理解
①自大学の教員養成に関わる理念と方針、AP・CP・DP に対する理解
②自大学の教員養成カリキュラムの現状と変遷に対する理解
③他大学の教員養成カリキュラムに対する理解
④教育科学・教科教育・教科専門の教員の各々の視点と強みに対する理解
①自大学の教育実習関連科目(教職実践演習等)の現状に対する理解
②他大学の教育実習関連科目の現状に対する理解
③国内外の教育実習のあり方に対する理解
④海外教育演習(模擬授業等含む)の開発と運営に対する理解
①教職志望学生の気質と生活、学習スタイルの特徴に対する理解
②学生の出口並びにキャリア教育に対する理解
③学生の多様性(ダイバーシティ)に対する理解
④学生の特徴を生かした授業づくりに対する理解
①他の教員・職員と円滑なコミュニケーションができる
②学内委員会業務等を通じて他の教員・職員と協働できる
③教職指導関連で教員・職員としてそれぞれの役割を発揮できる
④大学の管理・運営面において教員・職員と協働できる
①近隣または分野ごとのFD・SD コンソーシアム等を知り、活用できる
②教室・講座単位での、または部課・係単位での授業改善、業務改善の組織づくりができる
③多様な勤務形態(非常勤等)の構成員と協働できる
④学校等教育機関、教育支援機関(医療福祉施設等)との連携を企画できる
①教員養成の質保証が求められる背景を説明できる
②ポートフォリオやルーブリック等、多様な評価方法を活用できる
③評価方法、効果検証の方法を学生や後進に指導できる
④自らの業務を省察(セルフレビュー)し、改善できる
「教員養成ならではの教職員PD講座」パッケージは、上述した32の力量を伸ばす研修パッケージとして、いつでも、どなたでも受講することが可能です。以下の8つの講座にはそれぞれ、その講座の「目指す力」が示され、各自が伸ばしたいと思う力から選択し受講することも可能です。また、各講座のための確認テストや各自の効果測定ツールとしてのセルフチェックシートなども用意されています。
本講座の目指す力量 ※■=中心となる力
教員免許状や教員養成の原則、教員養成プログラム等わかりやすく解説します。
教員養成系大学の学生はどのような特徴をもっているのでしょうか。IRの成果から説明します。
インクルージョンの概念を理解して多様な学生への支援について事例から考えてみましょう。
附属学校はなぜ教員養成系大学・学部に併設されているのか、その意味を改めて考えてみましょう。
―大学インターシップ・学校ボランティアを手がかりに―
教員養成の問題は、歴史的に規定されている側面があります。今を知るために歴史を振り返りましょう。
学校現場は今多様なアクターと協働で運営していく流れにあります。その最新動向をチェックします。
課程認定を受けている大学は600を超えます。課題となっているプログラムの質の保証と向上について学びましょう。
国立の総合大学における開放制教職課程の質保証について、具体的な事例を通して学びます。
愛知教育大学 中山弘之准教授
教職大学院が全県に設置され、注目されている修士レベルでの教員養成について知りましょう。
東京学芸大学 三石初雄名誉教授
教員養成の高度化と教科内容・構成論的研究を通して、近未来の大学での教員養成を考えましょう。
東京学芸大学 小嶋茂稔副学長
国立教員養成大学・学部において教科内容を担当する大学教員はどのような構えで教員養成に臨むとよいでしょう。
教員養成は海外ではどのように行われているのでしょうか。日本を絶対視せず、外を見てみましょう。
教員養成のグローバル化の背景やその必要背について具体的な事例を通して考えてみましょう。