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「エージェンシー」に関する研究の成果

「生徒エージェンシー」とは、変革を起こすために目標を設定し、振り返りながら責任ある行動をとる能力として定義づけられます。エージェンシーを育むことにより、児童・生徒は個人と社会のウェルビーイングに向かって自らを方向づける(幸福な人生とよりよい社会の創り手になる)ことができるようになります。エージェンシーは学習指導要領で示されている主体性に近い概念ですが、より広い概念と考えられています。
 東京学芸大学次世代教育研究推進機構では、エージェンシーを研究する部門を設け、OECD、ISN(日本イノベーション教育ネットワーク(協力OECD))と連携を図りながら研究を進めています。道徳教育、特別活動を中心に、日本の学校教育におけるエージェンシーの理解と、エージェンシーを育む授業や活動についての研究を行っています。

   2030年 に向けた 生徒エージェンシー(OECD Agency for 2030 日本語訳)

アフター・コロナ、ウイズ・コロナ時代の教育とエージェンシー:緊急提言

  緊急提言について:はじめに

  OECD E2030とコロナ禍における教育 

  確かな道徳教育・道徳授業の展開でウィズ&アフター・コロナの時代を生きる子どもたちを応援する

  その特別活動の先に,Well-beingはありますか?

 

これまでの研究の紹介

私たちの研究グループは、エージェンシーという概念が日本の、世界の教育をよりよい方向に発展、革新させていくのではないかと考え、研究を進めています。我々の研究グループの研究成果について、以下に紹介します。

マンガ

 マンガで分かるエージェンシー!学校の先生方、そして中高生にも読んでもらいたい内容です。

   未来へすすむ~エージェンシー~ 

  

理論的研究

 エージェンシーを日本の道徳教育・特別活動で育てることの可能性について検討した論文です。

   日本の学校教育におけるエージェンシー概念について-道徳教育・特別活動を中心に-(東京学芸大学紀要  総合教育科学系 第71集)

 「生きる力」と「エージェンシー」の概念の共通性などについて検討した論文です。

   「生きる力」とエージェンシー概念の検討-中央教育審議会の答申や学習指導要領を中心に-(東京学芸大学教育実践研究 第16集)

 英語圏の読者に「手立て」を説明した上で、手立てが子どものエージェンシーを生成する(emegence)ことを理論化した論文です。

   Tedate and an Emergentist Theory of Children’s Agency. Pedagogy, Culture & Society.(英語論文:Pedagogy, Culture & Society https://doi.org/10.1080/14681366.2020.1777581)

調査研究

 中学生の生徒エージェンシーとコンピテンシーの関係および,中学生はどんな種類のウェルビーイングを重視しているかを明らかにした研究です。

   中学生における生徒エージェンシーの関連要因および中学生が重視するウェルビーイングの分野(東京学芸大学紀要 総合教育科学系 第71集)

 中学生は毎日の勉強からどのようなウェルビーイングを感じていて,生徒エージェンシーとはどんな関係があるのかを明らかにした研究です。

   日々の学習を通して得られる中学生のウェルビーイングと生徒エージェンシー(東京学芸大学教育実践研究 第16集)

 小・中学校の道徳教科書の実態を分析し,データに基づく授業計画・実施(例.判断力の重視)に役立てることができる研究です。

   道徳教科書の傾向をデータから探る-基礎的データを踏まえた実証的な授業と研究のために-(東京学芸大学教職大学院年報 第8集)

 学級活動ですべての小学校の先生が自信をもって評価できるようになる研究です。

   小学校学級活動の授業を評価する方法の開発に関する研究―特別活動の評価語分析を活用して―(教育実践学研究 第21号)

 生徒と教師が共に学びをつくっていくために必要な力,条件,課題を知り,明日の実践につながる研究です。

   生徒と教師のCo-Agencyとは―共に学びを創ることの困難さ,必要な力と学校体制― (東京学芸大学教育実践研究 第16集)

実践・授業研究

 中学校家庭科・数学科の授業を通して育まれたエージェンシーについての研究です。

   Agency to be Nurtured in Japanese Junior High School Classroom Activities.-focused on home economics and mathematics-(第14回東アジア教員養成国際シンポジウム:英語・日本語ポスター)

 多忙な教師でもすぐに世界の教育の流れを特別活動に取り入れられる授業方法についての研究です。

   小学校の総合的な学習の時間と特別活動での主体的に学習に取り組む態度の育成― OECD による生徒エージェンシーとSDGs との関連を模索する授業分析 ―(教育実践学研究)

 学習意欲が落ちず,どんな学びも取りこぼさない評価についての研究です。

   Agency Development and Evaluation Scenes of the ‘Unit of Inquiry Learning,’ an Integrated Subject of ‘Period for Inquiry-Based Cross-Disciplinary Study’ and ‘Extracurricular Activities’:A Case Study in the ‘Unit of Inquiry Learning’ of the Tokyo Gakugei University Oizumi Elementary School(関係性の教育学 Vol.19 英語論文)

 OECDの動向を知り、その観点を生かす学級活動についての研究です。

   Transformative Competencies to be Nurtured in Japanese Elementary School Classroom Activities: Analysis by the OECD Learning Compass 2030(関係性の教育学 Vol.18 英語論文)

 特別活動ですべての先生が自信をもって学力を評価できるシートを開発した研究です。

   「東京学芸大学版特別活動評価スタンダード&シート」の教育実践への適用―小学校の児童会活動,クラブ活動,学校行事を通して(日本教育大学協会研究年報 37巻 55-66ページ)

 

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