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2011/12/12

京都味見読書

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上
 毎年、中学3年生は春に京都・奈良修学旅行に行きます。図書館では京都に関する本もいろいろ購入して、毎年利用してもらってはいるのですが、せっかく買ったのにまったくその存在すら気づかれない本も少なくありません。調べるというよりは、これらの京都・奈良の本を一冊じっくり読んでもらえないかと、考えたのが、「京都味見読書」です。
 
 2学期末の国語に時間を利用して行ったこの授業、事前に京都・奈良に関する本を約100冊分類ごとに図書館のテーブルに並べ、生徒にはリストを配布。授業時間のなかで、できるだけいろいろな本を手にとって、興味が持てそうな本を最低5冊選び、その本の魅力を付箋に端的に書いて表紙に貼るというのをこの日の課題にしました。当日は先生の私物図書も机に一緒にならべてもらいました。
 
 最終的には、来春修学旅行から帰ってきたあとで、プレゼンテーションをする予定なのですが、まずは、京都のナニカ、すなわち、モノ・人・場所のいずれかに着目し、いろいろ情報を集めて、実際に現地で見聞きし体感した後に、そのナニカについて友だちにプレゼンするという予定でいることを先生が話しました。そのためのナニカを見つけると言う意味でもいろんな本に触れてほしいというのが、こちら側の意図したことです。
 
 説明を受けたあとは、各自思い思いに本を手にとり、付箋をつける作業を楽しげにしていました。4クラス終了後、本は4色の付箋が付けられ、人気のある本は10枚以上の付箋で表紙が見えない状態に。放課後付箋を集計し一覧に書き込みました。ダントツ人気は『事典和菓子の世界』でした。本はカウンターの後ろに分類順に並べて、貸出開始。1月末までに最低一冊は読もうと呼び掛けています。さっそくお目当ての本を借りにくる生徒もいれば、まだ時間があるからいいやという生徒も。まずは京都の本を一冊じっくり読んでもらい、何かしら京都に思い入れを持って欲しいと思います。生徒に感想を聞いたところ、「京都についてといってもずいぶんいろんな本があるのがわかって面白かった」という声が多かったです。
 
興味関心を広げ、知らない本の存在に気づいてもらうという意味でも、また、本を選ぶための拾い読みを経験できたことも、ふだん本にあまり親しまない生徒にはいい機会だったのではと思います。この授業は、3学期、さらに3年の1学期にと続く予定です。
 
 
   注)味見読書は、東京の公立中学校 熊倉 峰広教諭が名付けた活動があります。それに関しては、こちらをご覧下さい。今回は勝手に名称のみ使わせていただきました。
 
東京学芸大学附属世田谷中学校 村上 恭子

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