今月の学校図書館


2020/01/06

長野県長野市立朝陽小学校の巻

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上
 令和2年、最初の「今月の学校図書館」は、長野市立朝陽小学校で実践されている「本探し名人になろう!」の取組をご紹介します。司書教諭の米山美保先生から、ご寄稿いただきました。子どもたちが、楽しみながら図書館のしくみを学び、そこにある面白い本に気づけるという素敵な実践です。



 ~図書館の本の並び方を理解し、読書の幅を広げる「本探しゲーム」
本探し名人になろう!

~はじめに~
 「せんせ~、〇〇についての本ってある~?」と聞いてくる子ども達がいます。それは良いのですが、担任や司書に頼らないと簡単な資料探しもできない子どもにはしたくありません。知りたいこと調べたいことがあったら、まずはどのあたりに資料がありそうか見当をつけ、使いたい資料にできるだけ自力でたどりつける、図書館活用力のある子ども達に育てたいと考えています。
 朝陽小学校では以前から代本板を使用していませんでした。代本板を使わなくてもいつも書架が整っていればよいのですが、現実には、本来あるべき場所に本が戻されていないために、次に借りたい人がめあての本にたどり着けないということも時々起こります。いつも本を見つけやすい整った書架にしておくためにも、みんなが配架について正しく理解することが必要です。目当ての本を自力で探せる力のある子は、借りた本を正しい位置に戻す力のある子でもあると思います。(右 資料A  館内案内図)




1.なぜ本探しゲームか
 図書館活用力をつけるためには、N.D.C.の概要(しくみ)・図書ラベルの表記・どんな分類の本がどこにどんな配列で置かれているのか、などについて理解することが必要です。年度始め、図書館オリエンテーションで学年に応じてそれらを説明するものの、一度聞いただけでそれを活かせる児童はわずかです。
そこで、担任や司書に手渡された「この本を探そう!」カードに書かれている本を探すというゲームを通して、ラベル表記(分類番号や図書記号)が図書館内の本の住所であることを体験的に理解し、すみやかに本を探したり、正しい場所に本を返却したりすることのできる児童に育てたいと願って、この授業を計画しました。

 このゲームには、もう一つねらいがあります。
 普段の図書館利用を見ていると、利用される本にかなり偏りがあります。実際に手に取ってみれば面白い本はたくさんあるのに、人気の本や知っている本しか手に取らない児童もたくさんいます。そこで、本探しゲームを通して、普段あまり手を伸ばさない本、借りたことのない分野の本を手に取り、実際に開いて見ることで、新たな分野の本と出会わせ、読書の幅を広げようというわけです。


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