ありがとう林明子さん
2026-07-10 12:56 | by 中村 |
今月1日、絵本作家の林明子さんが81歳で亡くなりました。
代表作の『はじめてのおつかい』(福音館書店 1977年)が刊行されて、今年で50年。絵本『こんとあき』(福音館書店 1989年)や、角野栄子さんの『魔女の宅急便』(福音館書店 1985年)の挿絵など、子どもも大人もきっとどこかで出会ったであろう素敵な本の数々は、多くの学校図書館でも所蔵していることと思います。
林さんのこれまでを振り返り、その作品たちや、絵本作りに向かう林さんのものの見方・考え方をまとめた1冊が、今年4月に出版されています。
『子どもを描く —林明子の世界—』
福音館書店編集部編 福音館書店 2026年 ISBN:978-4-8340-8918-9
1つの作品を生み出すときに、林さんがどのように向き合ってきたか、様々な資料から伺えます。たくさんの取材写真、ラフ(下書き)の変遷、時には保育園に通って子どもの様子を観察し・・・林さんの目を通して見た子どもの姿が、その絵本に生き生きと写し取られていることに感動します。
ジブリの宮崎駿監督や絵本作家の五味太郎さんのインタビュー、林さんの年譜・作品アルバム、エッセイなども収録されています。
温かな眼差しと優しい心で子どもを描いてきた林さん。たくさんの素敵な絵本、大好きなあの場面は、今まさに子どもの世界にいる人たち、そしてかつて子どもだった人たちの心に、ずっと残っていくことでしょう。
(東京学芸大学附属竹早中学校 司書 中村誠子)