しあわせな読書時間
2026-10-05 16:06 | by 富澤 |
素敵な子どもの本のリストが刊行されましたので、ご紹介いたします。

東京子ども図書館 編 B6判 248ページ
定価1,760円(本体1600円+税)
ISBN978-4-88569-204-8
職業として、図書館や学校等で子どもと本に関わる、いわば”プロ”向けではなく、ご家庭等で、子育てをしたり、子どもの養育に日々携わっていたりする大人たちに向けて編纂された、手に取りやすいリストです。
0~12歳までの子どもたちを対象とした本を、“6段の本棚”に並べるイメージで、6つの章に分けてグレード別に紹介しています。上の段(本の後半)にいくほど、対象年齢が上がり、それぞれの“本棚”の中は、書名の五十音順にならんでいます。ラインナップは、絵本、物語、詩、昔話、ノンフィクションを取り混ぜながら、約320冊。2026年3月時点で全て入手可能な作品が掲載されています。各出版社の、その本のページにリンクされたQRコードもついています(一部、事情により掲載のないものもある、2026年6月時点)。
オールカラーで、各ページに1~2冊の本が、表紙と解説付きでゆったりと配置されていて、ページをめくるだけでも楽しい気分になります。要点をぴたりと押さえつつ、柔らかな言葉遣いですんなり頭に入ってくる解説を読んでいると、どの本も読みたくなってウズウズしてきます(知っているはずの本でも!)。時々登場する、ナビゲーター役の“うれしいさん”と“かなしいさん”が愛らしく、個人的には、各章の見出しのページに描かれた本棚に、本が充実していく様子も楽しく眺めました。
随所に挟まるコラムでは、「本を“読んでくれない”赤ちゃん」、「手に取るのは、図鑑ばっかり!」、「同じ本ばかり読みたがる」といった、「子どもに読書を」と願う大人にとっては不安や悩みの種ともなる、子どもの”あるある”な行動をとりあげ「その子のペースで楽しんで」、「存分に楽しませてあげて」「付き合ってあげつつ、新しい本も一緒に読んでみては」と、子どもと大人双方に寄り添い、安心させてくれます。また、「季節に合わせた本を読んでみる」「寝る前のひととき、親子で本を読むことをルーティーンにする」「詩や言葉あそびの本は、声に出して読んでみる」「親が本を読む姿を見せる」といった、あまり無理せず試せるようなヒントやコツも紹介されています。
「しあわせな読書時間」のために重要なのは「子どもと大人が“一緒に”楽しむ」ことなのだな、と改めて感じました。特に小学校図書館に勤めている身からすると「小学生になっても、大人が読んであげて!」(p.160)に書かれている内容は、ぜひとも声を大にしてお伝えしたいところです(気になる方は、ぜひ本書をお手に取ってご確認ください)。最後に、子どもと本を読むことは、決して“子どものため”ばかりではない!ということも、付け加えておきたいと思います。身近に、一緒に本を”読んでくれる”子どもがいることは、大人にとっても、とてもとても貴重で幸せなことです。本書をガイド役にして、まずはお試しあれ。
(東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)