『地図でスッと頭に入る 世界の民族と紛争』
2023-03-13 11:01 | by 長友(主担) |
ロシアのウクライナへの侵攻、新疆ウイグル自治区の収容所、最近では2月上旬に発生したトルコ・シリアの地震への支援が困難を極めている事など、時に世界を揺るがす事象の背景には民族という概念が関わっています。日本にいると民族という社会的分類にはなじみがないように思いますが、世界の中では日本のような国の方が珍しいのでしょう。世界各国の民族間の話は、迫害や紛争という形で表に出てくることがあります。
そうした民族間の問題をわかりやすくまとめた本がこの『地図でスッと頭に入る 世界の民族と紛争』
祝田秀全監修(昭文社,2022年)です。
先にあげたロシア・ウクライナや新疆ウイグル自治区の話はもちろん、世界中の民族問題が取り上げられています。また、シンガポールのように多民族をうまくまとめ上げている国の例なども紹介されています。
学校で社会という教科、中でも歴史を学ぶ意味の一つには、過去のあやまちを繰り返さないようにという願いが含まれているのではないでしょうか。とはいえ、残念ながら民族間の問題や紛争はいつの時代も絶えることがありません。昨年12月に本校で行われた「私の主張発表会」では、主張のテーマの一つが「平和」でした。直接自分たちが争っているわけではないからと他人事のようにせず、かつて起きてしまったこと、今もなお続く紛争を知ることが、小さくても平和への一歩になるといいなと思っています。
(東京学芸大学附属小金井中学校 司書 長友春陽)