『新・動物記 1巻〜』 生物研究の最前線へ

2023-06-02 10:05 | by 岡田(主担) |

 生物の教員から「是非、図書館で購入してほしい!」との依頼を受けた本です。
本校では全巻継続購入をしています。対象は中高生となっていますが、好きな分野ならば、小学校高学年からでも十分楽しめる内容となっています。フィールドワークの醍醐味や研究の実践や工夫。外国で出会う様々な生活を通して理解する異文化との出会いなど、探究することのワクワクがたくさん詰まっています。女性の研究者もおり、小さい頃の夢を叶えた様子などは、将来に向けてのキャリア教育にもいいのではないでしょうか。

『キリンの保育園  タンザニアでみつめた彼らの仔育て』齋藤 美保 2021 京都大学学術出版会 ISBN:978-4-8140-0333-4
 


『武器を持たないチョウの戦い方  ライバルの見えない世界で』竹内 剛 2021 京都大学学術出版会 ISBN:978-4-8140-0337-2
動物以外に昆虫も登場します。生徒が好きな生物が盛りだくさんです。春の女神と昔からから呼ばれ、教材によく取り上げられるギフチョウの新しい生態や研究が書かれており、改めて4類の本の更新の重要性を感じます。


カニの歌を聴け 』 竹下 文雄 2022 京都大学学術出版会 ISBN:978-4-8140-0395-2
研究現場が日本だからといって苦労が減るわけではありません。干潟での火傷のような日焼けや、覗きに来る観光客への対応など思わず「それね!!」と納得してしまう面白さがあります。以前テレビ放送されたシオマネキの映像
では、ダンスの方が番組として情報を届けやすいからでしょうか、カニの愛の歌については言及していませんでした。映像と書籍資料を両方を活用する必要性も、双方を比べることで理解ができます。多才な研究者の多様な視点がたくさん詰まっており、普段見過ごしていた疑問に対して「こんな風に研究をするんだ」と気づく点が「勉強っておもしろい」につながる本です。探究学習で実験やデータに悩んでいる生徒に是非手にとってほしいと思っています。
 
  京都大学学術出版会のシリーズ〈新・動物記〉公式Twitter
       https://twitter.com/Dobutsuki_KUP
   
                  (東京学芸大学附属高等学校 岡田和美)

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