『ビジュアル１００１の出来事でわかる世界史』　　　著者ダン・オトゥール他

 

 

生命の起源から２０１１年までの３８億年を、１００１の出来事で解説した歴史書。

　

世界の出来事が時代順に並んでいるので、

今まで西洋史・東洋史と、それぞればらばらだった知識が結び付けられていきます。

 

「ムハンマド、メッカに生まれる」

「１０進法の誕生」

「ナスカ文明の消滅」

「聖徳太子が中国の制度を導入」

「唐王朝興る」

などが、同じページにあるのも楽しいですし、

「初めて記録された日食は、紀元前１８７６年１０月６日、中国の夏王朝」であるなど、

旬な豆知識も入手できます。

 

また、ナショナルジオグラフィックならではの美しい写真と図版で、眺めているだけでも楽しめ、

４００ページをはじめから通読するも良し、

興味のあるところからじっくり読むのも良しといった内容になっています。

 「源氏物語」「秀吉の朝鮮出兵」「歌舞伎の誕生」など、

日本史の中のどの項目が取り上げられているかを見ていくのもいいですね。

 

 

本書は、２００９年に刊行されたものに加筆、再編集したもので、

最後の４ページを使って東日本大震災と福島原発をめぐる話題を取り上げています。

改めて、昨年の日本が本当に大変な年だったのだと痛感します。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(東京学芸大学附属小金井中学校　司書　　井谷由紀)