ずっといっしょに生きてきた(感染症の本)
2020-06-11 08:42 | by 富澤(主担) |
本校では、6月12日までは学校図書館を閉館し、返却本だけ児童玄関と図書館前に置いたバスケットに入れてもらっています。6月15日から貸出を再開するので、その準備に追われているところです。
1学期の間は、貸出と相談のみで、館内での読書はさせないことと、入口と出口を別にして一方通行とすることが決まったので、机の置き方も変更しました。
スペースができたので、「じ・つ・は ずっといっしょに生きてきた!~ウイルスと感染症~」というポスターを作り、感染症に関する本や雑誌を並べて展示してみることにしました。
まずは、定期購入している雑誌が「新型コロナウィルス」の記事を載せていたので並べ、次に、ウイルスや細菌について教えてくれるノンフィクションとともに、まだ感染症の原因が判明していなかった時代の外科医の話『床屋医者パレ』も並べました。
『床屋医者パレ』
(カルボニエ∥著/藤川 正信∥訳、福武書店)
そして、絵本と物語のコーナー。
ここに並んでいる本には、風邪、猩紅熱、おたふく風邪、はしか、と様々な感染症が登場します。
例えば、『赤毛のアン』で、アンが親友ダイアナの妹をすくったエピソードに登場したのは、猩紅熱だったと思いこんでいたのですが、改めて読み返してみたところ学校図書館の蔵書では「クループ」となっていることが判明しました。
『完訳赤毛のアンシリーズ 1/赤毛のアン』
(L・M・モンゴメリー∥著/掛川 恭子∥訳、講談社)
また、ドリトル先生の最初の航海は、サルのパンデミックに対処するための旅でした。この状況で読むと、ワクチンを接種し、患者を隔離し、といった、これまではあまり気にせず読み飛ばしていたドリトル先生の感染症への対応にも注目してしまいます。
『ドリトル先生アフリカゆき』
(ヒュー・ロフティング∥作/井伏 鱒二∥訳、岩波書店)
最後は、「健康」への意識につながるよう、『けんこうだいいち』や、主人公が風邪から回復する内容のものを選びました。
『けんこうだいいち』
(マンロー・リーフ∥さく/わたなべ しげお∥やく、
フェリシモ)
否が応でも関心を向けざるをえない状況なので、この機会にウイルスや感染症について知り、それが身近であること、また、一時は命にかかわるようなものだったとしても、克服されてきた歴史を感じてもらえたらと思っています。
とは言え、現実は、初めてのことにとにかく右往左往しています。この写真では本の現物を並べていますが、接触感染のリスクを考えると、表紙のコピーにして、手に取りたい場合は声をかけてもらうようにするなど、配慮する必要があるかもしれません。あまり神経質になりすぎず、試行錯誤してみようと思います。
(東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)