思わず手に取りたくなるのは…?

2025-06-10 13:50 | by 村上 |

 東京学芸大学附属学校司書部会では、今年初めての「10代がえらぶ海外文学大賞」を応援しています。そこで、まずは自校の生徒にむけて、このイベントを周知してもらいたいと考えて作った展示がこれです。

 第一次投票を終えて発表された22冊の海外文学の表紙を見て、思わず手にとりたくなるようなインパクトのある1冊を選んでニコちゃんマークのシールを貼ってもらうというものです。もちろん、全部は購入していないので、ない本、あるいは借りられている本は、カラー印刷した表紙画像を並べてみました。

 そもそも、このイベントが立ち上がったのは、中高生にもっと海外文学を読んでほしいから。確かに、本校でも借りられていく物語の割合は、調べたことはないけれど、日本の作品が9割を占めている気がします。海外作品は、意識してアンテナを立てないと、選書からもこぼれがちです。

 今回、2024年度に出版された、10代が主人公の海外文学作品には、こんなものがあるよ…とサイトでお知らせしてくれていましたが、思った以上にたくさんの海外文学があることにあらためて驚きました。

 並べてみて、何語から翻訳されているのかと調べてみたら、英語が16冊とダントツ。イタリア語と中国語が2冊ずつ、ドイツ、スペインが1冊ずつでした。描かれている舞台はアフリカやアジアだったりするのですが、書き手は現在は英語圏で生活をして、英語で児童文学を書いていることが多いようです。

 読むことまでは強要できないので、あとは読書好きな生徒の自主性に任せたいと思っていますが、1、2年生図書委員には、ちょっと圧をかけて読んでPOPを描いて、近隣の図書館や書店に置かせてもらえないかと思案中です。

  学校司書の皆さん、「10代がえらぶ海外文学大賞」の応援学校図書館になりませんか?学校名は公表・非公表を選ぶことができます。応援するといち早く結果を知ることができたり、7冊を紹介した特製冊子がもらえたりします。また、中高の図書委員会向けの動画を作成してもらえないかと、今選考委員の金原瑞人さん、三辺律子さん、そして我らが学校図書館界から選考委員の一人になってくれた鳴川浩子さんにお願い中です。学校司書の私としては、図書館運営の右腕のような図書委員の生徒に、この賞を一緒に盛り上げてもらいたいなと思っています。

 (東京学芸大学附属世田谷中学校 司書 村上恭子)

 


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