「いのちの授業」の展示
2025-02-06 14:47 | by 松岡 |
今月は横浜市立名瀬中学校の司書 柿崎千代さんの学校図書館の展示をご紹介いただきました。中3の保健学習で行った「いのちの授業」と連携して性的多様性、妊娠出産に関連した本の展示です。展示されている本にもぜひご注目ください。
(編集部 松岡みどり)
養護教諭から、「3年生の保健学習で、助産師を講師として招いて『いのちの授業』をするので、図書館の本を会場に展示したい」との要望をいただきました。
「いのちの授業」? どんな内容なのかと尋ねると、「男女の体のつくりの違い、性的多様性や妊娠出産にまつわる講話を聞き、命の尊さについて学んでもらう」ものだとのことでした。
性教育は大切な分野ではありますが、学校図書館で独自に扱うには難しいテーマだと感じていました。この種の本を納めた書架を見て回ると、頻繁に本が動いていて手に取られていることがわかり、関心がある生徒は少なくないことも想像されました。ただし、資料を少しずつアップデートし、新着図書の棚に面見せしてはみるものの、気恥ずかしさからかその場で手に取られることはほぼありません。
養護教諭にはその場ですぐ、展示する本の選定を請け合いました。生徒が集まる場所でまとめて紹介すれば、少しはインパクトがあるかもしれません。
「いのちの授業」は体育館で行われ、当日は講師が持参したたくさんの本と一緒に、本校の蔵書も並べてもらいました。本校のものには、内容がわかるように簡単な説明をつけました。
下記は展示してもらった主なものです。
・『赤ちゃんのはなし』マリー・ホール・エッツ文・絵、坪井郁美訳 福音館書店 1982年
・『10歳からのカラダ・性・ココロのいろいろブック 性とココロのいろいろ編』アクロストン 著 ほるぷ出版 2022年
・『私の心は私のもの 私のからだは私のもの 「同意」を考えよう 性的同意編』汐見稔幸 監修、孫奈美 編、藤本たみこ 絵 汐文社 2023年
・『出産を巡る切り絵・しかけ図鑑』エレーヌ・ドゥルヴェール絵、ジャン=クロード・ドゥルヴェール文、弓井茉那、横田宇雄 訳、林聡 監修 化学同人 2022年
・『女の子のからだえほん』マティルド・ボディ作絵、ティフェーヌ・ディユームガール作 艮香織 監修 河野彩 訳 パイインターナショナル 2022年
・『男の子のからだえほん』 著作者・出版社 同上 2023年
・『はたらく細胞LADY 10代女性が知っておきたい「性」の新知識』及川夕子 著、高橋幸子、原田重光、乙川灯、清水茜 監修 講談社 2022年
講演の一部を私も聞きました。妊娠、出産や性差の知識だけでなく、親しい仲でも互いに尊重しあうことの大切さをわかりやすく説く内容で、生徒たちも熱心に聞き入っていました。生徒が資料をゆっくり見る時間はあまりとれなかったようですが、先生の話では、興味を持った生徒が自然と本を見に集まっていたそうです。
他の学年の生徒にも見てほしくて、本はしばらく学校図書館内に展示しておくことにしました。予想通りというか、直接手に取って見ている生徒はあまりいなかったように思います。ただ、来館した時に表紙や背表紙を目にして、少しでもそのわかりやすく柔らかい表現に触れ、学校図書館にはこんな本もあるのだと知ってくれたらいいな、と感じています。女性を扱った本が多くなる傾向なので、今後は男子を扱った本も意識して収集したいところです。
(横浜市立名瀬中学校 司書 柿崎千代)