「高橋元夫全仕事-寄贈資料から」を見学して

2015-10-04 08:07 | by 中山(主担) |

 元大阪府箕面市立小学校司書 高木 享子

 2015年
96日~16日、慶應義塾横浜初等部図書館において高橋元夫先生の寄贈資料展示が開催されました。
 高橋先生は2009年に72歳で亡くなられましたが、慶應義塾幼稚舎の担任を18年間、その後は児童図書室の専任司書教諭をなさる傍ら、全国各地の学校図書館を訪れ、学校図書館の充実と普及に尽力されました。また、ご退職後は司書教諭養成に携わり、放送大学、東京学芸大学その他多数の大学で講師をされ、命尽きるまで学校図書館への情熱を持ち続けられました。
 


 今回の企画をされた
慶應義塾横浜初等部の近藤由紀彦先生は東京学芸大学の卒業生でいらっしゃいますが、ご遺族からの寄贈にあたり、ご自宅から運び出された資料は段ボール200箱にも及んだとおっしゃっておられました。

ご著書、学校図書館関連図書(『学校図書館の前進のために』東京都港区立氷川小学校/1954など貴重な本もありました)のほか、ブックトーク研究や本を紹介するツール、幼稚舎児童図書室で利用指導に使ったカードや図書館クイズなどなど、実践関連資料も多数ありました。



 また、全国各地の学校図書館を訪れ時の資料や記録のファイル(先生はいつもカメラを携え、写真に収めておられました)も多数あり、各地の学校図書館の生の声が聞こえてくるようでした。


ため息がでるような膨大で中身の濃い深い資料に、時間のたつのも忘れてしまうほどでした。



 また、江戸・東京に関するコレクションコーナーには、書籍のほか古地図、昔の街並みを描いた絵葉書、相撲や歌舞伎の冊子等々も多く、先生が生まれ育った東京への愛着が伝わってきました。





こつこつと時間をかけて集められたこれらの資料群が今度は教材として生き、これからも横浜初等部図書館で受け継がれていくだろうと想像し胸が熱くなりました。
 
2015.9.26


                                   



 
 
高橋元夫全仕事の入門には この1冊をおすすめします。(編集部)
 岩波ブックレット『子どもと本をつなぐ―学校図書館の可能性―』  高橋元夫・片岡則夫著 199910


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