はじめて学校図書館の仕事についた人のために

2015-05-16 10:01 | by 村上 |

この春、新たに学校図書館に関わることになった人にはとても役立つ本と冊子が出版されましたので、ご紹介します!

 『サンカクくんと問題解決!学校司書・司書教諭・図書館担当者のための学校図書館スタートガイド』  学校図書館スタートガイド編集委員会編・著 少年写真新聞社 2015  定価¥1800円➕税

 この本では、ひとり職場であることの多い学校図書館担当者が、はじめて仕事についた時に持つ悩みを整理し、解決策を探るために学校図書館の業務・機能をモデル化しています。
 土台としての「整える」・基本的サービスとしての「応える」・より豊かな活動に向けての「働きかける」を体現しているのが、マスコットキャラクターでもあるサンカクくん。これらすべての業務の基礎となる情報の収集が「知る」、そして図書館が機能するためにあらゆる機関・人と「連携する」。
 この5つの要素がなぜ重要なのかが丁寧に語られ、そのために何をすべきかがわかりやすく書かれています。この本の元となったのは、学校図書館問題研究会 長野支部が2010年に作成した「学校図書館スタートガイド」です。長年、よりよい図書館サービスと図書館教育を模索してきた長野支部の活動の蓄積が、一冊の本となり実を結んだと言えます。



  もう1冊紹介するのは、『学校図書館 はじめの一歩』 編集・発行 みの会 編集協力 東京子ども図書館 (頒布価格 500円 送料実費) です。
 こちらは、公益財団法人 東京子ども図書館で児童図書館員として研修を受けたのち、司書教諭あるいは司書として小学校図書館で勤務した経験がある4人が2008年にたちあげた勉強会 みの会によって編集された冊子です。
 はじめて学校図書館の仕事を任された時に、いったい何から手をつけたらいいのかと困ってしまった経験を多くの人が持ちます。4人も例外ではありません。しかし、彼女たちは学校図書館で働く多くの仲間たちの存在と、お互いの情報交換に助けられ、日々の実践を積み重ねてきました。それらをもとに、「人・図書館・学校を知る」「現状をよりよくしていく」「学校のまわりの人との協力」という3つの章から構成されています。
 メンバーの一人が、東京学芸大学附属大泉小学校司書の小野寺愛美さんでもあり、日頃からその丁寧な仕事ぶりと、子どもと本を結ぶ仕事への誇りと愛情を感じてきたひとりとして、多くの方々にこの冊子をぜひ読んでいただきたいと思います。

 この冊子は一般の書店には流通していないものなので、ご希望の方は、こちらをごらんください。

東京学芸大学附属世田谷中学校 村上恭子




次の記事 前の記事 [ 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 ]