また、コロッケ食べたくなった!(おはなし給食)

2024-11-11 20:46 | by 富澤 |

 読書の秋、そして、食欲の秋!ようやく涼しくなってきた10月、司書として勤務を開始して以来、初めての「おはなし給食」が実現しました。きっかけは、今年5月から勤務してくださっている、本校の栄養教諭から「おはなし給食をしたいので、選択肢の幅を広げるためにも、本を紹介してほしい」という依頼があったことです。
 10冊ほどを司書が選び、コメントをつけて栄養教諭の机に本を山積みにして、何を選ぶかはお任せに。選ばれたのは『11ぴきのねことあほうどり』に登場するコロッケでした!栄養教諭が献立表に、『11ぴきのねこ』のコロッケが出ると記載して、当日は、絵本をもって各クラスをまわってくださいました。自校で調理された、熱々で外はサクサク、中はホクホクのコロッケは、とにかくおいしくて、子どもたちからも、先生方からも大評判!司書のほうでは、絵本を追加で購入し、当日と、翌週、1~3年生に絵本を読み聞かせしました。

『11ぴきのねことあほうどり』  
馬場のぼる/著
こぐま社、1980
ISBN:978-4-7721-0033-5


 

  本の表紙を見せた時点で「あっ、給食のコロッケの本!」という反応。最初の、コロッケづくりの場面から「おいしかったよね」「いいなあ」「食べたい」という声が。あまるようになったコロッケを、毎日食べ続けてすっかりあきてしまう11ぴきの姿には、「え、なんで」「鳥の丸焼きより、コロッケがいい」。物語は、滑稽で楽しく、オチにはみんなで笑ってしまうのですが、読み聞かせの後は「あ~、またコロッケ食べたくなった!」という、実感のこもった感想が聞こえてきました。そしてもちろん、絵本には何件もの予約が。司書も、読み聞かせをするたびに、給食のコロッケを思い出して、なんだかお腹がすいてきたのでした。

 おはなし給食については、立教大学兼任講師で、前東京学芸大学附属小金井小学校司書でもある中山美由紀氏が、『カレント・アウェアネス』に記事を掲載したり『りぶしる』サイトにコーナーを設けて実践事例を紹介したりと、積極的な発信をされています。

 これまでも興味はありましたが、栄養教諭や、給食室の負担を考えると、なかなか司書側から持ち掛ける勇気を持てずにいたので、声をかけてもらえたことが本当に嬉しく、ウキウキと本選びをしました。
 実施後、子どもたちからは、「これが食べたい」「あれはどう?」といったリクエストも、栄養教諭のもとに届いているそうです。給食委員会がない本校では、図書委員を巻き込んで、何かできるかもしれない、といった話も、栄養教諭との間で出てきて、今後の展開が楽しみです。

【栄養教諭の德田恭子先生からも、一言いただきました!】
 本に出てくる食べ物が給食で出てくる!それをクラスのみんなで食べることができる、そんな楽しいことはないと思っています。給食から新しい本への出会い、本から給食への出会いができるなんて、そんな夢のようなコラボはないと思い、「お話給食」を提案させていただきました。
 実際に「ねこが作ったの?」と、かわいいコメントをくれる児童もいました。他にも子どもたちから届いたリクエストを出すのが私も楽しみです。

(東京学芸大学附属大泉小学校 司書 富澤佳恵子)


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