高学年・中学生のよみきかせ

2012-11-12 00:31 | by 岡島(主担) |

『きいちゃん』    山元 加津子 作 多田 順 絵    アリス館

 いろいろな人がいて、いろいろ違っていることが素敵であり、人と人はどんな関係であっても、教えあい、学びあい、助けあっていると実感する感動の一冊です。

あらすじは
きいちゃんは、小さい時高熱がでて、それがもとで手足が不自由になってしまい、日常生活をおくる訓練のために家族と離れて暮らしています。お姉さんの結婚式に出席し、その時お姉さんがみなに話したお話は
 
 
 
 
 
 
あとがきから
「わたしは、養護学校の教員をしています。そこで、出会ったこどもたちは、わたしにとってかけがえのない友だちです。いつも生きるってとてもすてきなことなのだ、大好きなことがとても大切なのだと教えつづけてくれるのです。きいちゃんもまた、わたしの大切なともだちのひとりです。わたしは、きいちゃんたちに出会って自分は教員だから、教えるんだ、指導するんだと思うのをやめました。私は、きいちゃんより先に生まれたけれど、それは、髪の長さが長いか短いかくらいの違いじゃないかと思ったのです。人と人は、どんな関係であっても、教えあい学びあい、助けあって生きているんだと思ったからです。
地球には、男の人、女の人、国の違う人、肌の色が違う人、背の高さが違う人、障害のある人、ない人、いろいろな人がいます。いろいろ違うからこそ、素敵だということをみんなで考えるようになったらどんなにいいでしょう。
 きいちゃんは、家族と暮らしながら、今も和裁を続けています。おねえさんのゆかたを縫った時と同じように、ひと針ひと針丁寧に心をこめて着物を縫いつづけているに違いありません。」

こどもたちに、私もきいちゃんのように、みんなが書いてくれる読書ノートを一冊一冊心をこめてみていますとお話しました。

小学生には、読み聞かせの後、、丘修三さんの『ぼくのおねえさん』『五体不満足』『フォルーカー先生』
中学生には、『ピーティ』『だいじょうぶ3組』を紹介しました。

このよみきかせは、教育実習生の最終日にこどもたちといっしょに聞いてもらいました。なにか心に残ってくれたと思っています。
こどもたちの感想はきいちゃんがお母さんに結婚式出ないでくれといわれ、かわいそうだったが、出席でき、よかった。生きていることの大切さがわかり、大好きなことをみつけたいと。
泣きそうになったとか。生まれてこなければよかったときいちゃんはおかあさんに話したが、生んでくれてありがとうと心が変わり、命の素晴らしさを感じた。おねえさん、きいちゃん両方がおもいやり、すてきなきょうだいで、心があたたかくなった。等
子どもたちとの毎日は、よみきかせやいろんなことを聞かれて、いっしょに調べたりしていますが、子どもたちの心にそい、心のささえになる本に出会えるお手伝いができれば願っています。
(東京学芸大学附属竹早小中学校 岡島玲子)

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