東京学芸大学 次世代教育研究推進機構

DEPARTMENT各部門の概要

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部門1の概要 Department 1

 部門1では,日本の小学校および中学校が,授業実践や諸活動を通じて,知識(Knowledge)やスキル(Skill),人間性(Character),メタ認知(Meta-cognition)をどのように総合的に育成しているのかを,特にスキルと人間性の育成に焦点を向け,ビデオに記録した授業実践の分析を通じて明らかにしていきます。(教科固有知識の育成もスキル・人間性の育成の基盤として,記録・分析に含まれます)。そして,この分析により示された現行の日本の学校教育の成果と課題に基づき,スキル,人間性を総合的に育成するための21世紀型の教育モデルを開発します。

 具体的には,各教科(道徳,総合的学習の時間,特別活動を含む)の授業事例をビデオに収録し,それを分析することを通して,特にスキルと人間性の育成の観点から,日本の現行の初等中等教育の成果と課題を明らかにしていきます。その上で,日本の教育で育成されるコンピテンシーとOECD Education2030の中で提案される21st century competencyがどのような関係にあるのかを吟味し,その成果をもとにEducation2030で明確化されるコンピテンシーの育成に必要な要素を構造化した授業デザインのモデル(21世紀型の教育モデル)を,実践のためのビデオ資料(skill development videosとcharacter development videos)を含めて開発することを目的とします。

 そのための検討の方針として,(1)授業実践の分析に際しては,知識やスキルの指導に注目するだけでなく,各教科(道徳,総合的な学習の時間,特別活動を含む)において人間性の育成がいかにして図られているのかの検討を重視します。(2)どのようなスキル,どのような人間性が育成されるかは教科により異なるため,それぞれの教科において具体的にどのようなスキル,人間性の育成が目指されているのかも明確にします。(3)こうした教科の枠組みの中でのコンピテンシー育成と,教科の枠組みを超えた活動(e.g.,総合的な学習の時間,特別活動)におけるコンピテンシー育成の比較検討を行い,それぞれの教科での教育と教科横断的な教育を通じて,教育課程全体として,いかにしてスキルや人間性が総合的に育成されているかを考察します。(3)授業実践の分析の際には,「どのように授業を行っているのか」だけでなく,「教師は何を意図して,そのような授業を行っているのか」,「そのためにどのような準備をしているのか」を分析・抽出していきます。そして,それを通じて,スキルや人間性の育成のための「How to」を示すだけでなく,新しい教育のための授業デザインや,教師が何を考え,何を行うべきかを明確化します。

部門1の概要図

部門1の概要図