部門3の概要 Department 3
道徳,特別活動の時間では,いずれも集団での問題解決的な学習が行われ,新しい学習指導要領で育成すべき基礎スキル,認知スキル,社会スキル,そして人格特性の全ての力を総動員する活動が行われます。これらの教科外活動(道徳のみ2015年より教科)は,21世紀の社会で活躍する人材に求められる学びの多くの要素を含むものですが,教科外という位置づけからそこでの学びは評価の対象外となっており,これらの活動においてどのような力が身についたのかを把握し,それを教育内容・方法の改善に繋げることが困難でした。
そこで部門3では,日本において教科外の活動に位置づけられ,その評価方法が十分に確立されていない「道徳」(moral education),「特別活動」(special activities),の教科外活動について,それらでどのような能力が身についたかを適切に評価する方法を開発することです。主にcitizenship, moral, responsibilityなどのcharacterに関する特性の評価とします。
具体的には,「道徳」,「特別活動」,「総合的な学習の時間」の評価方法について,人格特性の発達の評価を中心に検討します。そのためにまず,それぞれの活動の中でどのような能力が育成されると考えられるのかを専門家の意見を得ながら精査します。その上で,それぞれの能力の評価方法について,部門2 competency Evaluation Studyの成果を参考にしながら検討します。(例:実際の活動の中で子どもたちの振る舞いを評価するためのルーブリック)。その際,「道徳」,「特別活動」のそれぞれについて共通の評価方法を提案するのではなく,それぞれの特性に応じた評価方法を提案する。
開発した評価方法については,子どもや親の自己評価などとの対応や,複数評価者の間の一貫性の分析などを通じて,信頼性・妥当性の検証を行います。評価方法の開発に際しては,学校現場で実際の教員が利用可能なものとすることを重視しながら,それを行います。