スポーツの秋を楽しむ本

2024-10-08 14:24 | by 松岡 |

 5月に運動会を行う学校も増えていますが、小金井小では10月に運動会が行われます。

子どもたちは応援の練習や競技の練習に励んでいます。

 「足が速くなる(ヒントが書かれている)本はありますか?」というレファレンスを受けることもあり、校内は運動会モードで活気づいています。

 応援の気持ちを込めて、スポーツの秋を楽しめるような本をブックトーク形式で紹介します。

  『なつのキリンピック』

 ねじめ正一/作 北村裕花/絵  鈴木出版 2021年

  2024年はオリンピックイヤーでしたが、キリンたちによる「キリンピック」も大盛り上がり。中でもマラソンは人気のある競技です。小さなキリンは大きなキリンより足が短い分遅れてしまいますが、小さな体をいかして健闘します。読み聞かせをしても楽しい絵本です。

 

 『こころの輪 オリンピック編』

 阿部詩 阿部一二三 池江璃花子 山縣亮太

 小学館 2024年

 この本に出てくる4人のアスリートはオリンピックでメダルを獲得したり、大きな大会で新記録を更新したりするようなトップアスリートばかりです。

 どんなに強くても気持ちが前向きになれない時や試合で負けてしまう時もあります。そんな時、4人はどうやって気持ちを切り替えて目標に向かって突き進めたのか。自身の子供の頃のエピソードや体験を元に書かれています。

 こころを強くするための方法は4人それぞれ違います。自分に近い考え方や自分にできそうな方法で「こころ」もトレーニングしてみてはいかがでしょう。

『空に向かって走れ!』

小出鞠るい/作 講談社 2019年

 運動会のリレー競技の代表チームを決めるために、4年3組ではくじ引きでチーム分けをして予選を行うことになりました。

 走るのが好きなみなみと同じチームになったのは、読書家の雄大、スポーツよりピアノが好きな愛理、足は速そうなのにわざと遅く走っている晴樹。

 リレーで大切なのはチームワークとバトンパス。4人はそれぞれの苦手や弱点を克服しながら予選に挑みます。

 一つ前に紹介した『こころの輪 オリンピック編』の山縣亮太選手が活躍したリオデジャネイロオリンピックでも、リレー競技でのバトンパスが話題になりました。物語の中にもリレーで勝つためのヒントが書かれています。

『あなたの言葉を』

辻村深月/著 毎日新聞出版 2024年

 最後に紹介する本は作家・辻村深月さんによるエッセイです。毎日小学生新聞に連載されていたので、小学生の学校生活に関係した話題も多いです。

 その中で今回紹介したいのは〈「苦手」と「嫌い」〉という章です。スポーツ全般が「苦手」な辻村さんも子どもの頃、運動会シーズンは楽しみではなかったようです。でも、大人になって「苦手だけれど好き」なこともあることに気づいたら、苦手なこと=嫌いなことではないかもしれない、という新しい視点がもてたのです。

  辻村さんは多くの人気作品を生み出している作家さんなので、エッセイの中では書くことや読むことなどにも多く触れています。色々な場面で力をもらえる本です。

 

 スポーツの本というとNDCでは7類の本が中心になりますが、その他のジャンルでもヒントになる本は色々ありそうです。スポーツの秋も読書の秋もどちらも楽しめるといいですね。

(東京学芸大学附属小金井小学校 司書 松岡みどり)                              


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