「たくさんのふしぎ」を読んで
2024-09-10 15:12 | by 金澤 |
福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んで、それにつながる本を読んでみようという活動を4年生と行いました。ブックトークを作ったわけではありませんが、ブックトークに関連するような活動になったので、ここで紹介します。
児童は、まず「月刊たくさんのふしぎ」から1冊選んで読みます。次にその1冊目のテーマに関連する2冊目の本を選んで読み、さらにそのテーマに続く3冊目の本を選んで読みます。ワークシートに本の内容やテーマのつながりなどを記入し、選んだ3冊の本を紹介してもらいました。今回は、ふたりの児童の発表を紹介します。
1冊目は、月刊たくさんのふしぎ「釣って食べて調べる深海魚」平坂寛(文)キッチンミノル(写真)長嶋祐成(絵)
この本は、深海魚の特徴についてや釣った場所の説明やおいしい食べ方などを紹介している本です。
児童は、この本を読んで、深海魚の目が大きいわけが分かったと言っていました。
2冊目は、魚を食べるというテーマとつなげて『おすしやさんにいらっしゃい』岡田大介(文)遠藤宏(写真)岩崎書店 を選びました。
この本は、すしのネタになる魚の紹介とさばき方をおしえてくれる写真絵本です。この児童は、1冊目で紹介した本の中に出ていたキンメダイも寿司のネタになることにびっくりしていました。
3冊目は、魚の養殖ということに目を向けて『どうなるの?未来の食べもの 最新のフードテックの世界に潜入!』3巻シリーズの3巻目『完全養殖でマグロやウナギを絶滅から守れ!』石川伸一(監修)汐文社
この本では、養殖の必要性をデータなどを使って解説し、養殖のやり方や海を守る新しい技術を紹介している本です。
この発表をした児童は、魚のことを調べながら、未来の漁業についても考えているようでした。
もう一人の児童の発表を紹介します。
1冊目は、月刊たくさんのふしぎ「植物でシャボン玉ができた!」高柳芳恵(文)水上みのり(絵)福音館書店
木の実から泡が出てくるのは、どうしてだろうという疑問から、サポニンという物質が含まれていることを調べた著者が、それが含まれている木の実を探し、泡を出す実験を行う本です。
この児童は、サポニンが含まれている植物は、案外身近にあることを発見したそうです。
2冊目は、植物の役割や育ち方に注目し、月刊たくさんのふしぎ「森の舞台うら」松浦陽次郎(文)山村浩二(絵)
この本は、森の木が育つための秘密を探る本です。土・菌類・落ち葉の働きなどを紹介しています。
この児童は、森の木を成長させるために、裏で頑張っているものの存在を知り、森の中に落ちているフンも木の成長に役立っていることを発見したと言っていました。
これまで、植物がどうやって生きてきたかを見てきたので、植物の最後ということで、3冊目に、月刊たくさんのふしぎ「落ち葉」平山和子(文・絵)平山英三(構成・写真)を選びました。
落ち葉の美しさに魅せられた著者が、散歩などで見つけた落ち葉を描き続けました。著者の描いた様々な落ち葉を紹介している本です。
この児童は、落ち葉には、色々な模様があること、様々な種類があることをわかったと言っています。
日頃、あまり手にしない「月刊たくさんのふしぎ」を読む機会になり、その後も興味を持って読む児童が見受けられたことは嬉しいことでした。また、ノンフィクションを読む機会にもなったようですし、これまでは、テーマをつなげて本を選んで読むという経験も新鮮だったようです。
(東京学芸大学附属世田谷小学校 司書 金澤磨樹子)