こどもの様々な悩みに

2019-09-10 13:24 | by 井谷(主担) |

 子どもたちには皆、笑顔で毎日を暮してもらいたい。周りの大人から愛され、大切にされ、楽しく希望にあふれた日々を過ごしてもらいたいと思います。けれども現実には、死にたいほど学校に行きたくない子や、親から虐待を受けている子さえ存在しています。すぐそばにいる大人に相談できないとき、誰に相談すればいいのでしょうか。そんな疑問に具体的に答えた本がこちら。


『どうしたらいいかわからない君のための人生の歩きかた図鑑』
石井 光太
日本実業出版社 2019
 
 著者は教育や福祉現場での取材経験が豊富なノンフィクション作家です。この本では
不登校・ひきこもり・発達障害などの「学校」の悩み、
虐待やDV,親の離婚などの「家庭」の悩み、
LGBTや摂食障害などの「体」のなやみ、
貧困などの「お金」がない悩み、
それらが原因で将来が思い描けない「進路」の悩みを解決するための方法を提案しています。
 悩みを解決する専門家である人や団体はどこにいて、どう相談すればいいのか、具体的な事例をあげて紹介しており分かりやすいです。また、実際に相談のプロであるスクールソーシャルワーカー・教員・児童養護施設の職員・こども食堂の運営者などからのコメントも載っています。

 特筆すべきは、この本の著者も編集者もブックデザイナーも、どうしたらいいかわからず困っていた10代を過ごしたこと。今でも苦手なことはあるけれど、それでも少しずつ自分の味方を見つけ、背中を押してもらって、社会人として生きています。そんな経験をした人たちが、今困っている子どもたちに、「世の中は捨てたもんじゃない」ということを伝えたくて作ったのが、この本です。
 今困っている子どもにも、そばにいる大人にもぜひ読んでいただきたいです。
          
   (東京学芸大学附属小金井中学校 司書 井谷 由紀)

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